要興業<6566> 積極的な設備投資の継続により勢力拡大を目指す

2018/01/16

東京 23 区を地盤に事業所からの廃棄物を扱う総合廃棄物処理業大手
積極的な設備投資の継続により勢力拡大を目指す

業種:サービス業
アナリスト:藤野 敬太

 ◆ 事業所から排出される廃棄物の収集運搬・処分・リサイクルの大手

要興業(以下、同社)は、一般的な事業所から排出される廃棄物の収集運 搬、処分、リサイクルを中核事業としている。事業地域は東京23区が中心で、 東京の民間事業者の中ではトップシェアである。

同社の事業は、総合廃棄物処理事業の単一セグメントだが、収集運搬・処 分事業、リサイクル事業、行政受託事業の 3 つに区分される(図表 1)。

◆ 廃棄物の区分と事業の関係

廃棄物は、法定20種類の産業廃棄物と、一般廃棄物(産業廃棄物以外)に 分けられる。産業廃棄物はさらに、あらゆる事業活動に伴うもの(どんな事業 所からも排出される12種類)と、特定の事業活動に伴うもの(8種類)に分類される。一般廃棄物は、排出元によって、家庭廃棄物と事業系一般廃棄物 に細分される(図表 2)。

収集運搬・処分事業は、一般的な事業所から排出されるもの(分類上は一 般廃棄物と産業廃棄物に分かれる)を、収集、運搬、処分する事業である。 産業廃棄物の法定20種類のうち、同社が取り扱うことができるものは、12種 類である。同社及び子会社のヨドセイが担当している。契約を締結した事業 所(排出事業者)の排出現場を定期的に回り、廃棄物を回収している。

行政受託事業には、(1)東京 23 区の自治体からの委託により、契約した区 から発生する不燃ごみや容器包装ごみをリサイクルセンターで資源化処理 する業務(同社が担当)、(2)家庭から排出される一般廃棄物を行政の処理 施設及び処分場に運搬する雇上契約注1に基づいた業務(ヨドセイが担当) の 2 種類がある。

収集運搬・処分事業と行政受託事業にて収集された廃棄物は、行政の 19 カ所の清掃工場に運搬されて処理されるか、リサイクルに回される。リサイク ルは外部処理業者に持ち込まれるものと、自社のリサイクルセンターで処理 されるものがある。同社のリサイクル事業は、自社リサイクルセンターに運び 込まれた廃棄物を資源化し、それらを再資源化品や有価物として売却する 事業である。東京 23 区内に 8 カ所のリサイクルセンターを保有している。

◆ 収集運搬・処分事業の詳細

同社の中核事業である収集運搬・処分事業がカバーするのは、東京 23 区 の 7,000 カ所以上の排出現場である。それらの現場を回り、廃棄物を収集 運搬するために、グループ全体で 400 台超の車両と、それを運転する約 400 名のドライバーを抱えている。

収集運搬・処分事業の売上高は、「車両台数×車両 1 台当たり売上高(積 載量×運搬回数×契約単価)」で表される。このうち、積載量と契約単価は 大きく変動せず、運搬回数と車両台数の増加が成長の牽引役となる。

運搬回数は、移動距離や運搬する廃棄物の種類を細かく決めて、各車両 の運搬効率を上げることで増やすことが可能である。それを可能としている のが、同社が自社開発した配車ソフトである。また、安全運転のために、特 殊 G センサ付きデジタルタコグラフ注 2、ドライブレコーダー、無線・GPS 等を 整備するなど、積極的に投資を行ってきている。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。