ABホテル<6565> 駅前や主要インターチェンジ付近に年間 5 店舗を目標に出店

2018/01/15

「AB ホテル」という名称で愛知県を中心に各地でホテル事業を運営
駅前や主要インターチェンジ付近に年間 5 店舗を目標に出店

業種:サービス業
アナリスト:髙木 伸行

◆ 駅前やインターチェンジ付近にホテルを展開

ABホテル(以下、同社)は「AB ホテル+地名」という名称で愛知県を中心に 宿泊に特化したホテルを展開している。ABホテルのABは“Amenity Bright” の頭文字に由来し、「快適に、心地よく、明るく輝く」をコンセプトとしている。

同社の前身は、親会社である東祥(8920 東証一部・名証一部)のホテル事 業部である。99 年 11 月に東祥がホテルサンルート三河安城(現 AB ホテル 三河安城本館)をフランチャイジーとして開業したことが始まりである。05 年 にサンルートから脱退し、14 年 6 月に埼玉県深谷市に出店し、それまでの 愛知県中心から全国展開を開始した。

14 年 10 月にホテル事業を目的として、東祥から新設会社分割により、同社 が設立された。同社設立以降は 15/3 期(6 カ月間)に 1 店舗、16/3 期に 2 店舗、17/3期に3店舗、18/3期の第2四半期累計期間(以下、上期)には3 店舗を出店し、店舗展開を加速している。

現在は、愛知県、石川県、岐阜県、奈良県、群馬県、埼玉県、静岡県に合 計 17 のホテルを保有している(図表 1)。特徴としては 130 室前後のホテル が多く、宴会場やレストランも持たない宿泊特化型ホテルである。

駅前や主要インターチェンジ付近など、ビジネスでの利用が見込める地域 を中心にファミリー層や女性にも宿泊してもらえるホテルを展開している。ビ ジネス向けを意識した出店地域は、同社のホテルが多い愛知県三河地区 のように製造業が発展している地域が比較的多いが、金沢や奈良のような 観光立地タイプや名古屋栄のような都心型のホテルもある。

同社のホテルの出店基準は駅前や主要インターチェンジ付近などでビジネ スでの利用が見込まれる地域が中心で、客室数は130室程度、稼働率80% で売上高経常利益率 35%を確保できるように、主に事業用定期借地の形 態で開発を行っている(図表 2)。利益率確保のために開発段階から建築士 を交えることにより、ローコスト建設を実現している。

同社のホテル施設は宴会場や会議室を設けない宿泊特化型で、長期滞在 にも対応できるようコインランドリーを設置している。また、全ホテルに大浴場 も設置している。接客品質の向上に向けては外部業者の覆面調査による84 項目に及ぶチェックや「楽天トラベル」や「じゃらん」と言ったネット予約シス テムの口コミなどを活用している(図表 3)

同社のビジネスモデルの最大の特徴として挙げられるのが、業務委託方式 によるホテル運営である。夫婦2名に個人事業主になってもらい、フロント業務を委託している。業務委託方式により運営を行うことで運営費などの固定 費を抑制している。
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