シンクロ・フード<3963> 強固なビジネスモデルに根差した安定成長はしばらく続こう

2017/12/04

「飲食店.COM」を中心に飲食店経営者向けメディアプラットフォームを運営
強固なビジネスモデルに根差した安定成長はしばらく続こう

業種:情報・通信業
アナリスト:藤野敬太


1.会社概要

・シンクロ・フード(以下、同社)は、飲食店経営に関する業務を支援するメディアプラットフォームを運営している。主力の「飲食店.COM」を中心に、飲食店と、必要とされるサービス提供事業者とをマッチングしている。

2.財務面の分析
・12/3 期~17/3 期は、有料ユーザー数の順調な増加により、年平均25.6% の増収、同61.0%の経常増益となった。03 年の設立以来、14 期連続で増収増益を続けている。
・飲食店経営を支援するサービスを持つ上場企業との比較では、売上高営業利益率の高さを始め、成長性や安全性でも他社を上回る指標が目立つ。身軽なバランスシートのもと、高利益率で事業を回し、自己資本を厚くしていく状況にあることがうかがえよう。

3.非財務面の分析
・同社の知的資本の源泉は、創業以来、「飲食店向けメディア」、「ワンストップサービスの提供」というビジネスモデルのグランドデザインを描き続けてきた経営陣(人的資本)にある。グランドデザインに則って、飲食店のライフサイクルに沿ったサービスが付加され、関係資本のユーザーと飲食業界向けサービス提供事業者が集まる好循環が生まれた。

4.経営戦略の分析
・対処すべき課題として、「飲食店.COM」の知名度の向上と、エンジニアを中心とした人材の安定確保が挙げられる。
・同社は、当面は売上高の拡大を志向し、既存サービスの継続的改善、サービス展開エリアの拡大、新たなサービス企画・開発の3 点を成長戦略として掲げている。

5.アナリストの評価
・証券リサーチセンターでは、創業当初から一気通貫型のメディアプラットフォームのグランドデザインに則ってビジネスモデルを磨いてきたことが競争力の源泉と評価している。今後、既存のビジネスモデルで安定的な成長が見込まれようが、将来、「非連続の成長」を目指した際のその対応力は未知数と考える。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。