大阪油化工業 <4124> 約 70 年の業歴と 3,000 品目を超える高度精製実績をもつ
2017/10/11
目的とする物質を混合物から分離・精製する精密蒸留が主な事業
約 70 年の業歴と 3,000 品目を超える高度精製実績をもつ
業種:化学
アナリスト:髙木 伸行
◆ 精密蒸留の専業受託会社
大阪油化工業(以下、同社)は素材加工の一環として行われている精 密蒸留を専業で請け負っている。精密蒸留とは化学物質のわずかな沸 点の差を利用して混合物から目的とする物質を分離・精製することを 指すが、同社は独自設計による多目的蒸留装置により、多品種に対応 している。
同社の加工技術は主に医薬・農薬、電子材料、自動車などの部材に使 用される機能性化学品の製造過程で利用されている。
◆ 大手メーカーが主な販売先
同社の販売先は化学、繊維、医薬品メーカーを中心に約 100 社に上る が、約 9 割が上場企業となっている。一方、上位 4 社で 16/9 期の売上 高の 6 割弱を占めており、特定企業への売上依存度は高い。
同社の売上高は顧客の研究開発部門の支援を行うサービスである「研 究開発支援」、基礎研究段階からスケールアップした製造規模の蒸留及 びそれに付随するサービスを提供する「受託加工」、顧客が自社で蒸留 を行うための支援サービスである「プラントサービス」に区分されて いる(図表 1)。
生産の受託加工に移行するケースも多く、研究開発支援の売上高の動向 は数年後の受託加工売上高を予測するうえでの一種の先行指標と見て も良い。
プラントサービスについては営業活動を行ったものの、16/9 期は売上 高を計上出来なかった。17/9 期第 3 四半期累計期間の売上高も 0.4 百 万円と水準は低く、同社にとっては今後の注力分野という位置づけで ある。
一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。