CRIミドル<3698> 下期には成長軌道への復帰を探るが、二期連続での転換社債発行は必要か

2017/08/04

ゲームソフト開発を効率的に行うために欠かせないミドルウェアを提供
下期には成長軌道への復帰を探るが、二期連続での転換社債発行は必要か

業種:情報・通信業
アナリスト:難波 剛

◆ ゲーム等のアプリケーション開発用ミドルウェアを提供
・CRI・ミドルウェア(以下、同社)は、ゲームや遊技機の開発をスムーズ かつ効率的に行うためのミドルウェア「CRIWARE(シーアールアイウェ ア)」を開発、提供している企業である。

◆ 17 年 9 月期上期は売上、利益ともに計画に未達
・17/9 期第 2 四半期累計期間(以下、上期)の業績は、売上高 611 百万 円(前年同期比0.2%増)、営業利益42百万円(同66.7%減)、と業績予 想に対して、大幅な未達となった。
・未達の要因としてはゲーム分野、北米での顧客開拓、国内でのスマー トフォン向けの新製品の触覚ミドルウェア「CRI HAPTIX」が、各々計画 未達となった点が挙げられる。新規分野でも、注力している新製品の商 談が想定通りに進まず、計画を下回った。

◆ 17 年 9 月期業績予想
・同社は、17/9 期の業績予想について、売上高 1,500 百万円(前期比 12.4%増)、営業利益 270 百万円(同 17.3%減)へと下方修正した。 成長ドライバーと想定しているゲーム分野、新規分野の 2 分野を中 心に下方修正を行った。
・証券リサーチセンターでも、17/9 期の業績予想について、売上高 1,473 百万円(前期比 10.4%増)、営業利益 256 百万円(同 21.6%減)へ下方 修正した。新規分野は、上期の遅れを下期に取り戻す計画であるが、 下期計画に不安要素があるため、会社計画より低く予想した。

◆ 投資に際しての留意点
・7 月には、実質的にフリー・キャッシュ・フローがプラスであり、16/9 期に 類似の資金使途目的で発行した転換社債等による調達資金を使い切 る前の状況にあるなか、転換社債が発行された。調達資金の使途や株 式希薄化など株主の利益に与える影響について注視しておく必要があ ろう。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。