トレックスセミ<6616> ファンドリー買収で供給体制を強化、車載機器、産業機器市場の攻略を図る

2017/07/12

省エネ性能の良い小型電源用 IC を得意とするファブレス半導体メーカー
ファンドリー買収で供給体制を強化、車載機器、産業機器市場の攻略を図る

業種:電気機器
アナリスト:高坂 茂樹

◆ 事業内容
・トレックス・セミコンダクター(以下、同社)は、小型電源制御用 IC の開発 及び販売に特化するファブレス半導体メーカーである。回路図等の IP (知的財産)、アナログ回路設計に精通するエンジニアが同社の強みで ある。
・ファブレスモデルで環境変化に左右され難い収益構造を採用して いたが、16 年 4 月にファンドリー専業で同社の前工程製造委託先であ るフェニテックセミコンダクター(以下、フェニテック社)を買収した。

◆ 17 年 3 月期決算
・17/3 期決算は、フェニテック社が加わり前期比 103.0%増収となった。営 業利益は円高の影響や在庫評価減、フェニテック社の低収益性等から 同 9.8%増にとどまった。当期純利益は負ののれん発生益を特別利益に 計上したため同 404.9%増となった。
・フェニテック社を除く旧トレックスグループの売上高は産業機器、車載機 器向け販売が拡大したが、円高による海外販売単価下落が厳しく、前期 比 4.1%減となった。在庫評価減も響き営業利益は同 40.3%減となった。

◆ 18 年 3 月期業績予想
・同社の 18/3 期計画は、売上高22,300百万円(前期比3.4%増)、営業利 益 1,400 百万円(同 11.9%増)である。負ののれん発生益の消失で当期 純利益は同 74.4%減を見込んでいる。
・売上高の内訳は、旧トレックスグループが前期比8.0%増、フェニテック社 寄与分は同 0.7%減収と同社は見込んでいる。営業利益については旧ト レックスグループの採算改善を想定し、二桁増益を予想している。

◆ 中期経営ビジョン
・同社は 19/3 期売上高 230 億円、営業利益 20 億円、当期純利益 12 億 円を目指す中期計画を進めている。フェニテック社とのシナジーを活かし、 車載機器など重点分野を攻略する方針である。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。