エボラブルアジア<6191> 今後の成長を占う新ブランド「Air Trip」のブランドの浸透度合いに注目

2017/03/17

ベトナムでの IT オフショア開発も手掛ける国内航空券のオンライン販売最大手
今後の成長を占う新ブランド「Air Trip」のブランドの浸透度合いに注目

業種:サービス業
アナリスト:藤野敬太

1.会社概要
・エボラブルアジア(以下、同社)は、国内航空券のオンライン販売の最大 手である。唯一国内の全航空会社との代理店契約を持つことを背景とし た仕入力、複数の販路を通じた販売力、自前で保有する IT 開発力の 3 点を強みに、取扱高を伸ばしてきている。

2.財務面の分析
・11/9 期以降の売上高は、実質的に 5 期連続の増収で、年平均 43.0%ペ ースで拡大してきた。この期間、経常利益は年平均 95.1%の増益だった が、受託開発案件で損失が発生した 13/9 期だけは減益を経験した。
・航空券のオンライン販売の同業より、規模と収益性は同社が上回る。一 方、安全性や収益性で、宿泊予約サイト運営企業を下回るが、今後、比 較企業の水準まで収益性を引き上げる余地があることを示唆していよう。

3.非財務面の分析
・同社の知的資本の源泉は、オンライン事業の仕入、営業、IT 開発という 組織資本に属する一連のプロセスにあると考える。また、自前の IT 開発 力が、販売強化と仕入強化の好循環を支えてきた。これらより、関係資本 の顧客が増加し、国内航空券のオンライン旅行代理店最大手になったと 考える。

4.経営戦略の分析
・対処すべき課題として、オンライン旅行事業での国内航空券販売の収益 構造の改善、ブランディング、取扱商材の拡大が挙げられる。
・オンライン旅行事業での新ブランド「Air Trip」は、収益構造を変える可能 性があることと、将来的に総合旅行のプラットフォームとなりうることから、 この立ち上げに注力し、ブランディング等のコストを投入するとしている。

5.アナリストの評価
・証券リサーチセンターでは取扱高を増やすための同社の戦略は適切で あると評価している。新ブランド「Air Trip」の成否は、今後の同社の成長 スピードを左右するもので、当面は、成功の必要条件であるブランドの浸 透度合を注視したい。

 

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。