フェニックスバイオ<6190> 今後の成長分野の薬物動態関連試験や安全性関連試験サービスの伸びに期待

2017/02/09

創薬の前臨床試験のための PXB マウスを提供している企業
今後の成長分野の薬物動態関連試験や安全性関連試験サービスの伸びに期待

業種:サービス業
アナリスト:難波 剛

1.会社の概要
・ フェニックスバイオ(以下、同社)は、前臨床試験までの段階において、 創薬におけるヒトへの影響度の確認を行うための動物として、PXB マウス と呼ばれるキメラマウスを提供している企業である。

2.財務面の分析
・同社は、15/3 期に事業を譲渡したため減収となったが、この影響を除け ば、12/3 期以降順調に売上を伸ばしてきた。また、固定費が大きく、経 常利益は 13/3 期までは赤字であったが、14/3 期以降は損益分岐点売 上を超え黒字が定着した。
・他社比較では、類似企業は赤字か収益性が低い企業が多いが、同社は、 事業が安定している。同社の自己資本比率は非常に高い水準にあるが、 固定費率が高く、医薬品開発の終了や規制の動向により売上高が大きく 減少した際には赤字に陥るリスクも高いため、財務の安全性には注意を 払っておく必要があろう。

3.非財務面の分析
・知的資本の源泉は、特許を取得しているトランスジェニックマウスの作製 手法と安定して PXB マウスを生産する運営ノウハウにある。

4.経営戦略の分析
・ 同社は、DMPK/Tox関連・PXB-Cellsの売上拡大を成長ドライバーと考え ている。そのために、北米での販路拡大を重要施策と考えており、生産体 制確立、認知度向上に向け積極展開している。

5.アナリストの評価
・ 同社の PXB マウスはヒト肝細胞を安定的に市場に提供する手段として、 その認知度の向上と共に、他の安全性試験の一部を代替する形で拡大 していくことが予想され、安定した成長が見込まれる。
・ ただし、B 型肝炎の治療薬の完成、iPS 細胞によるヒト肝細胞提供、規制 の変化等により事業環境が変化しやすいことも認識する必要があろう。

 

  >>続きはこちら(2.64 MB)

一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。