SEMITEC<6626> 17 年 3 月期は減収・減益の計画だが、足元の円安で業績好転の可能性あり

2016/12/26

温度センサなど各種センサを製造・販売し、生産拠点戦略や製品開発は適切
17 年 3 月期は減収・減益の計画だが、足元の円安で業績好転の可能性あり

業種:電気機器
アナリスト:大竹 喜英

◆「適地生産」「消費地生産」のセンサ専業メーカー
・SEMITEC(以下、同社)は、温度センサをはじめとする各種センサの製 造・販売を主な事業とする電子部品メーカーである。

◆ 17 年 3 月期上期決算は営業増益ながら為替差損で大幅経常減益
・17/3期第2四半期累計決算は、売上高6,525百万円(前期比4.5%減)、 営業利益372百万円(同9.7%増)、経常利益251百万円(同40.5%減)、 四半期純利益 42 百万円(同 84.0%減)であった。
・円高の影響もあり所在地別セグメント別で見た日本の収益が悪化したも のの、中国は元の下落で輸出採算が改善した。また、製造コストの削減 や外注移管、販管費の抑制も営業増益に貢献した。ただし、営業外損益 で為替差損 137 百万円を計上したため、大幅な経常減益となった。

◆ 底堅いセンサ需要と為替動向を考慮し、業績予想を見直した
・同社は17/3期業績予想を売上高13,088百万円(前期比0.7%減)、営業 利益 676 百万円(同 3.3%増)、経常利益 579 百万円(同 13.0%減)、当 期純利益 239 百万円(同 27.5%減)へ修正した。
・証券リサーチセンター(以下、当センター)は、足元のセンサ需要や昨今 の円安基調を考慮し、17/3 期以降の業績予想を引き上げた。売上高を 大きくけん引するほどの新製品や大型商談は期待できないものの、為替 の影響に加え生産拠点の再整備など原価低減効果が着実に収益性を 回復させると見ている。

◆ 投資に際しての留意点
・期末配当の年1回、継続的かつ安定的な配当を行うことが基本方針であ る。17/3 期も同社は 1 株当たり年 20 円配を予定している。
・同社の成長性に魅力があるとは言い難い。ただし、同社の株価バリュエ ーション指標は、16/3期実績基準PBRは0.5倍、17/3期の当センター業 績予想基準の PER が 10.6 倍であり、電気機器メーカーのなかでは低い 評価となっている。15/3 期以降業績は安定的に高い利益率を維持して いるため、今後、評価の見直し局面があると当センターでは見ている。

 

 

  >>続きはこちら(1.14 MB)

一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。