プラッツ<7813> 介護保険制度変更による影響懸念で低迷した業績の回復が焦点

2016/11/14

「低価格」と「高品質・高機能」両立でシェアを拡大してきた介護用電動ベッドメーカー
介護保険制度変更による影響懸念で低迷した業績の回復が焦点

業種: その他製品
アナリスト:藤野敬太

1.会社概要
・プラッツ(以下、同社)は、介護用電動ベッドメーカーである。低価格と高 品質・高機能を両立させた製品を投入することを特徴とし、在宅利用の 介護用電動ベッドのレンタル市場を中心にシェアを拡大してきた。

2.財務面の分析
・10/6 期~15/6 期は、売上高は年平均 13.9%、経常利益は同 44.7%の成 長率で拡大してきたが、16/6期は介護保険制度改正による影響を懸念し た顧客の買い控えにより、8 期ぶりの減収となり、経常赤字に転じた。
・16/6 期に経常赤字になったことで同業他社とは比較しづらくなったが、 業績悪化前の 15/6 期ベースで見ても、営業利益率や自己資本比率など は他社を下回る水準にとどまっている。

3.非財務面の分析
・同社の知的資本の源泉は、組織資本に属する、低価格を支えるベトナム での生産と、高品質・高機能な製品の企画・開発にある。この二つが両輪 となって機能することで、シェアの拡大という形で、関係資本である顧客 基盤の拡大へつながっている。

4.経営戦略の分析
・対処すべき課題として、福祉用具レンタルの比率が高すぎる事業構成、 知名度の低さやブランド力の不足が挙げられよう。
・製品開発力の強化による国内でのシェア上昇、海外販売の強化、事業 領域の拡大が、19/6 期を最終年度とする中期経営計画での目標となる。

5.アナリストの評価
・低価格と高品質・高機能の両立が同社の特徴だが、機能や品質の追求 よりも先に低価格の実現に挑んだことが同社の成長につながったと考え られる。低価格を実現して価格訴求力を維持しながら、製品企画・開発を 強化して品質と機能を上げ、製品ラインナップを拡充させていった軌跡 そのものが成功要因と言えよう。
・福祉用具流通市場以外での売上増加のため、海外販売の強化や事業 領域の拡大を進める同社だが、今後は製品自体の競争力だけではなく、 営業力やマーケティング力の向上も鍵を握るものと予想される。

 

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。