日本アクア<1429> 16 年12 月期上期決算での売上総利益率改善が続くかどうかに注目

2016/10/06

硬質ウレタンフォームの建築物断熱材の施工販売で全国展開する唯一の企業
16 年12 月期上期決算での売上総利益率改善が続くかどうかに注目

業種:建設業
アナリスト:藤野敬太

◆会社概要
・日本アクア(以下、同社)は、建築物断熱材用の吹付け硬質ウレタンフォームの施工販売を行う企業である。施工体制を全国規模で持つのは同社のみである。

◆16年12月期上期決算
・16/12期第2四半期累計期間(以下、上期)決算は、売上高7,063百万円(前年同期比6.5%増)、営業利益568百万円(同167.6%増)で、期初の会社計画(売上高7,000百万円、営業利益500百万円)を上回った。
・主力の戸建住宅向けの増収が牽引した一方、建築向けの売上高は、15/12期に発生した原料不具合への対応に時間を取られて営業活動が遅延したために伸び悩んだ。利益面では、原料価格下落と施工の一部外部化による労務費の低下から、売上総利益率は大幅に改善した。

◆16年12月期業績予想
・16/12期について、同社は売上高16,000百万円(前期比11.1%増)、営業利益1,300百万円(同28.3%増)の期初計画を据え置いた。
・証券リサーチセンター(以下、当センター)では、16/12期の業績予想を、売上高16,331百万円(前回16,326百万円)、営業利益1,388百万円(同1,387百万円)へと微修正した。上期までの状況と、17年4月に予定されていた消費税率引き上げが延期となったことを踏まえて、主力の戸建住宅向けにおいては、駆け込み需要を除いた一方で、同社のシェア拡大幅を上方修正した。

◆今後の注目点
・今回初めて中期事業計画が公表された。18/12期に売上高231億円、営業利益率及び経常利益率10%台を目指す内容である。当センターでは中期事業計画の水準よりは売上高、利益ともに慎重に見ているものの、15/12期を底に売上総利益率が回復する展開を想定している。
・売上総利益率改善の柱である自社ブランド原料の使用の本格化は、同社の仕入競争力、ひいては価格競争力を強化することになろう。価格競争力を武器に、新築住宅のゼロエネルギー化等を追い風にしてどこまでシェアを拡大できるかに注目したい。

 

 

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。