ゼネラル・オイスター<3224> 安全な牡蠣の6 次産業化という“カッキテキ”な未来に向けて我慢の時間が続く

2016/10/05

「オイスターバー」の多店舗展開のパイオニア
安全な牡蠣の6 次産業化という“カッキテキ”な未来に向けて我慢の時間が続く

業種:小売業
アナリスト:藤野敬太

1.会社概要
・ゼネラル・オイスター(以下、同社)は、オイスターバー業態の多店舗展開のパイオニアである。現在は主にオイスターバーを運営する店舗事業が収益源だが、種苗・養殖まで手がける牡蠣の6次産業化を目指している

2.財務面の分析
・10/3期~16/3期は、売上高は6期連続の増収となり、年平均14.0%の成長率で拡大してきた。一方、費用増により、11/3期と15/3期の経常利益は減益となり、16/3期は赤字に転落した。
・直近業績の赤字転落もあり、収益性は他社を大きく下回り、安全性にも特段の優位性はない。一方、新規事業に向けた活発な投資により、総資産は拡大傾向にある。

3.非財務面の分析
・同社の知的資本の源泉は、消費者に近い飲食店舗の運営からスタートして、浄化・加工や卸売、種苗・養殖へと徐々に上流のプロセスへアプローチしていく展開力にある。この展開力を支えた組織資本の強化により、関係資本にある顧客やブランドの構築につながっていった。

4.経営戦略の分析
・既存店売上高が減少に転じた店舗事業の収益改善を急ぐ方針である。
・店舗事業では、オイスターバー業態からの脱却も視野に新しい付加価値の訴求を模索する方向にある。また、牡蠣の6次産業化の実現に向け、陸上養殖事業と岩手大槌ヴィレッジ事業へ積極投資を行っている。

5.アナリストの評価
・オイスターバーの多店舗展開等の市場創造力や、06年のノロウィルス騒動を機に浄化・加工プロセスまで内製化した打開力は評価できる。その実績を考えると、現在着手している2つの新規事業は、投資負担は重いものの、牡蠣の6次産業化と新しい市場創出の観点から期待されよう。
・一方、16/3期の業績減速の要因となった店舗事業の既存店減収は懸念材料である。17/3期は会社計画では営業利益が黒字化するとしているが、証券リサーチセンターでは赤字縮小に留まるものと慎重な予想とした。当面は既存店減収が止まるタイミングに注視する必要があろう。

 

  >>続きはこちら(2.53MB)

一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。