アーキテクツSJ<6085> 17 年3 月期は業績回復の兆しを確認する期となろう

2016/08/26

建築家・建設会社・顧客の三位一体の家づくりを支えるネットワーク運営会社
17 年3 月期は業績回復の兆しを確認する期となろう

業種:サービス業
アナリスト:藤野敬太

◆建築家設計の良質な住宅を提供する仕組みを有する
・アーキテクツ・スタジオ・ジャパン(以下、同社)は、登録建築家と加盟建設会社の協力のもとで「ASJ建築家ネットワーク」を運営し、富裕層でなくとも建築家の設計による良質な家づくりを可能にする仕組みを構築している。

◆16年3月期決算
・16/3期決算は、売上高1,279百万円(前期比11.9%減)、営業利益90百万円の赤字(前期は74百万円の黒字)となった。営業利益は期初の500百万円の黒字予想から一転して赤字となった。売上高の期初計画に対する達成率が64.0%にとどまったことが響いた。
・地域の工務店が運営するスタジオが減少したことと、アカデミー会員の増加が設計契約につながっていないことが、売上高の不振の要因である。

◆17年3月期業績予想
・17/3期業績について、同社は、売上高1,528百万円(前期比19.4%増)、営業利益15百万円(前期は90百万円の赤字)と、黒字転換を目指す。
・証券リサーチセンター(以下、当センター)では、17/3期の業績予想を、売上高1,543百万円(前回1,724百万円)、営業利益24百万円(同190百万円)へ修正した。修正後の予想は会社計画とほぼ同水準である。

◆今後の注目点
・当センターでは、同社が構築した仕組みの参入障壁は高く、独自の成長軌道を描く潜在性を持つという評価は変えていない。しかし、スタジオと同社との間での温度差が成長速度に影響するという前々回レポートでの懸念が16/3期に顕在化した格好である。17/3期はスタジオの活性化、本社営業部門による新たな商流開拓が業績回復につながるかを確認する期となろう。
・18/3期以降の予想についても、売上高を慎重に見直し、かつ、費用増を織り込んで下方修正した。それでも、営業利益率は、19/3期の6%台に向けて回復基調に向かうものと予想する。

 

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。