Fブラザーズ<3454> ファンド運営ビジネスから自己勘定による賃貸不動産投資ビジネスへの移行が進む

2016/08/12

独立系不動産私募ファンド運営会社
ファンド運営ビジネスから自己勘定による賃貸不動産投資ビジネスへの移行が進む

業種:不動産業
アナリスト:大間知 淳

◆ 不動産の投資運用事業と自己勘定投資等の投資銀行事業を兼営
・ファーストブラザーズ(以下、同社)は、機関投資家に対して私募ファンド の形式で不動産ファンドの運用サービスを提供するほか(投資運用事 業)、自己資金の運用と顧客に対する各種金融アドバイザリーサービス (投資銀行事業)を手掛けている不動産会社である。

◆ 16 年 11 月期上期決算は 176%増収 24%営業減益
・16/11 期第 2 四半期累計期間の業績は、176.1%増収、24.1%営業減益 であった。賃貸不動産の売却が急増したため、売上高は大幅増となった ものの、投資運用事業においてファンド投資案件の売却に関連する手 数料がほとんど計上出来なかったことから、大幅減益を余儀なくされた。

◆ 16 年 11 月期の会社計画は 174%増収 8%営業増益を維持
・16/11 期について 173.9%増収、7.8%営業増益としている計画を、同社は 据え置いた。投資運用事業の落ち込みを、投資銀行事業の拡大でカバ ーするというセグメント別の予想に関しても修正はない。
・証券リサーチセンターは、ベンチャー企業への投融資に係る売上高や 費用を中心に従来予想を見直し、売上高 12,501 百万円→12,376 百万 円(前期比171.6%増)、営業利益3,137百万円→3,126百万円(同10.4% 増)に修正する。

◆ ファンド運営から賃貸不動産の自己勘定投資へ収益の柱が移行
・同社はファンド向け不動産物件の市況が高値圏にあるとの認識から、フ ァンドでは物件売却を進める一方で、取得時の競合が少ない、概ね 30 億円未満の賃貸不動産の自己勘定投資を積極化させており、収益構造 も大きく変化している。
・中期的な経営戦略の 3 つの柱の中で、賃貸不動産投資の拡大は順調 に進捗しているものの、セイムボート投資(同じ船に乗るという意味から顧 客との共同投資を指す)や、ベンチャー企業投資などの新規分野の投資 については課題を抱えており、今後の取り組みを注視したい。

 

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。