CRIミドル<3698> セガサターン開発時の技術が、20 年以上の時を超え、脈々と受け継がれる

2016/07/25

ゲームソフト開発を効率的に行うために欠かせないミドルウェアを提供
セガサターン開発時の技術が、20 年以上の時を超え、脈々と受け継がれる

業種:情報・通信業
アナリスト:難波 剛

1.会社概要
・CRI・ミドルウェア(以下、同社)は、ゲームや遊技機の開発をスムーズ かつ効率的に行うためのミドルウェア「CRIWARE(シーアールア イウェア)」を開発、提供している企業である。

2.財務面の分析
・同社の業績推移をみると、直近 5 期の平均では 7.9%増収、35.6%当 期純利益増益と、新規分野のスマートフォン向けミドルウェアの売 上拡大と収益性改善を背景に順調な成長をみせている。
・ライセンス使用許諾料が売上の中心となるため、ビジネス特性として収 益性は高く、主要顧客の業界環境が安定している現状では営業利益率 は類似企業と比較しても高い。

3.非財務面の分析
・家庭用ゲーム機の開発にも携わった技術力と、また過去から蓄積さ れたミドルウェアのライブラリーは、大きな参入障壁となり、同社 は業界で安定したポジションを確保できている。

4.経営戦略の分析
・ゲーム業界で培った音声・映像技術や元関係会社を中心とした緩やか なネットワークをコアに、安定成長分野のキャッシュカウ化と今後の成長 分野への積極的な成長投資のバランスの取れた戦略は評価できる。

5.アナリストの評価
・家庭用ゲーム開発ミドルウェアという安定した収益基盤を確保しつつ、 スマートフォン、海外市場、新規分野向けミドウェア等の成長分野へ経 営資源をシフトしつつある点は評価できる。
・上場時に資本調達をしたにもかかわらず直後の自社株買い、及び上場 前株主であったウィズ・パートナーズ社へ再度第三者割当、及びその後 の売却は資本政策面で一貫性を欠くため、今後も注意が必要であろう。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。