SEMITEC<6626> 生産拠点戦略や製品開発は適切だが、需要低迷で17 年3 月期は減収・減益予想

2016/07/13

温度センサをはじめとする各種センサを製造・販売
生産拠点戦略や製品開発は適切だが、需要低迷で17 年3 月期は減収・減益予想

業種:電気機器
アナリスト:大竹 喜英

◆「適地生産」「消費地生産」のセンサ専業メーカー
・SEMITEC(以下、同社)は、温度センサをはじめとする各種センサ等の製造・販売を主な事業とする電子部品メーカーである。
・同社グループはセンサ素子の開発と量産、「適地生産」及び「消費地生産」の考え方を基本に、アジアを中心とした子会社ではアッセンブル及び販売を行っている。

◆16年3月期決算は増収ながら為替差損もあり大幅経常減益
・16/3期連結決算は、売上高13,187百万円(前期比1.0%増)、営業利益654百万円(同5.0%減)、経常利益666百万円(同35.1%減)、当期純利益330百万円(同57.8%減)であった。
・研究開発費の増加が営業利益を押し下げたことや、利益率の低いバルクセンサの売上比率が上昇したことから、製造コスト削減、在庫評価減の減少などの増益要因で補ったものの、営業利益率は15/3 期の5.2%から4.9%に低下した。また、66百万円の為替差損を営業外損益に計上したことから、経常利益率は7.9%から5.1%に低下した。

◆収益改善効果が予想より遅れ気味
・同社は17/3期業績を、売上高13,088百万円(前期比0.7%減)、営業利益573百万円(同12.4%減)、経常利益626百万円(同6.1%減)、当期純利益316百万円(同4.2%減)と予想している。
・足元のセンサ需要や為替動向から判断し、証券リサーチセンター(以下、当センター)は売上高予想を引き下げるとともに、生産拠点の再整備などの原価低減やコスト負担増以上の収益改善効果を見込むことは困難であるという見方に変更した。

◆投資に際しての留意点
・期末配当の年1回、継続的かつ安定的な配当を行うことが基本方針である。17/3期も同社は1株当たり年20円配を予定している。
・生産拠点戦略や製品開発戦略は適切と考えられ、経営自体は高く評価できると当センターでは考えている。
・同社の株価バリュエーション指標は、業績実績や成長性に懸念があるため、16/3期実績基準PBRは0.5倍と低い評価となっている。

  >>続きはこちら(1.08 MB)

一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。