菊池製作所<3444> 17/4 期は厚労省の補助金支援でマッスルスーツ販売増。18/4 期に営業益黒字化へ
16/4 期は試作・金型事業の低迷とマッスルスーツの販売反動減で赤字決算
17/4 期は厚労省の補助金支援でマッスルスーツ販売増。18/4 期に営業益黒字化へ
業種:金属製品
アナリスト:大竹 喜英
◆試作品や金型、量産品製造で顧客を支えるものづくり支援企業
・菊池製作所(以下、同社)は1970年創業以来、顧客の試作品や金型、量産品の製造を行なっている総合ものづくり支援企業である。
・装着型筋力補助具「マッスルスーツ」や完全自律制御型ヘリコプター「ドローン」の開発と量産を開始しており注目される。
◆16年4月期は試作・金型事業不振、マッスルスーツも反動減
・16/4期決算は、売上高5,919百万円(前期比1.2%増)、営業損失574百万円(赤字継続同465百万円悪化)、経常損失407百万円(赤字転落同430百万円悪化)、当期純損失804百万円(赤字転落1,078百万円悪化)であった。
・製品別では時計など精密機器関連や自動車関連が増収となったものの、デジタルカメラ関連や事務機器関連が減収となった。マッスルスーツは、大口顧客の発注が一段落し、経済産業省による補助金助成が15年度で休止され減収となった。
◆17年4月期は業績回復を見込むも、営業損益ゼロ近辺の可能性
・同社が計画する試作・金型事業の11.9%増収は強気過ぎると考えられる。また、マッスルスーツは厚生労働省が16 年度予算に補助金の計上を行い、販売が回復すると予想されるものの、16/4 期実績400 台から17/4 期2,000 台と予想するのは現時点で過大と考えられ、販売状況を見守る必要があると証券リサーチセンター(以下、当センター)では判断した。
◆投資に際しての留意点
・マッスルスーツやドローンには話題性があり、これらの新規事業による中長期的な同社の業績改善が見込まれている。しかし、その改善幅は当センターの予想を下回り、成長性や収益性で高く評価するまでには至っていない。
・一般的なバリュエーション指標で現在の株価を評価することは難しい。当面は業績動向を注視しつつ、同社が総合ものづくり支援企業としての利点を活かし、さらに自社製品を成長事業として育成し、収益体質が本格的に改善する姿を見守るべきと当センターでは考えている。