PCIホールディングス<3918> V2X やV-Low マルチメディア放送向けでの展開で業界をリード

2016/06/24

自動車向け組込みシステムとIoT ソリューションに強みを持つ情報サービス企業
V2X やV-Low マルチメディア放送向けでの展開で業界をリード

業種:情報・通信業
アナリスト:大間知淳

1.会社概要
・PCIホールディングス(以下、同社)は、自動車向けを主体とする各種組込みシステムと、金融業及び製造業向け情報系ソフトウェアや交通・放送等の社会インフラ系ソフトウェアの開発を主力事業とする独立系の情報サービス企業である。組込みシステムの開発実績を背景に自動車及びエネルギー業界向けにIoTソリューションも手掛けている。

2.財務面の分析
・10/9期~15/9期の連結決算をみると、開発体制の強化を背景に、売上高は年平均23.5%増、経常利益は同65.1%増と大幅に拡大した。
・他社との比較では、規模はやや小さいものの、安全性、収益性、成長性ではやや魅力的な水準にある。

3.非財務面の分析
・同社の知的資本の源泉は、「上司が部下に期待し、育てて、面倒を見る」企業文化にある。結果として、同社の離職率が低水準にあるだけでなく、社外でも評価される技術者が新規事業の推進役となっている。

4.経営戦略の分析
・開発体制の強化によって既存事業での安定成長を確保しつつ、新たなビジネス領域への挑戦によって利益の上乗せを狙っている。
・20/9期を見据えて、増収率年平均5~20%、営業利益率6~10%(15/9期7.0%)の中期目標を掲げている。

5.アナリストの評価
・証券リサーチセンターでは、売上総利益率が高いIoT事業がけん引役となって、17/9期と18/9期は年率18%前後の営業増益を予想している。
・同社は車車間通信「V2X」やV-Lowマルチメディア放送向けのソフトウェア開発で業界をリードしており、こうしたビジネスが想定以上に急拡大すれば、業績は当センターの予想を大きく上回る可能性がある。逆に、これらの事業自体が行き詰まると株価への影響が懸念される。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。