ハピネス&D<3174> 熊本地震による施設被害はないものの、足元では高額商品の低迷が続く

2016/05/17

全国のショッピングセンターにセレクトショップを展開
熊本地震による施設被害はないものの、足元では高額商品の低迷が続く

業種:小売業
アナリスト:松尾 十作

◆ ショッピングセンターに出店するセレクトショップ
・ハピネス・アンド・ディ(以下、同社)は、全国のショッピングセンター内に 出店するセレクトショップで、バッグ、小物、時計などを販売している。
・同社は、「人生の節目や大切な日、『記念日』に贈るプレゼントを選ぶ特 別なショップ」を目指した店舗運営を行っている。

◆ 16 年 8 月期上期決算は営業減益
・16/8 期第 2 四半期累計期間(以下、上期)決算は前年同期比 1.5%増収、 5.8%営業減益であった。売上高は、バッグ・小物類で手頃な価格帯商品 の拡充等が奏功したものの、時計は前年同期に発生したインポートブラ ンドの値上げ前の駆け込み需要の反動を吸収できなかった。既存店売 上高は改装店の営業休止の影響もあり同 4.0%減であった。
・営業利益は、売上高の計画未達に加え、売上総利益率が同社想定に 達しなかったこと等から、増益計画であったが減益に終わった。

◆ 16 年 8 月期業績予想を修正
・上期実績を踏まえ、16/8 期について同社は店舗政策の見直しを行い、 業績予想についても売上高を前期比 6.2%増収から同 1.3%増収に、営 業利益は 106.9%増益から 18.6%増益に減額修正した。
・証券リサーチセンターは従来予想を修正し、前期比 0.2%増収、9.5%営 業減益と予想する。従来予想との相違点は、熊本地震の影響による買い 控えの発生を想定したことと上期実績に鑑み売上総利益率を慎重に想 定したためである。

◆ 投資に際しての留意点
・インポートブランド品は自社で価格設定が出来ない上に円安が進行する と一時的に採算性の悪化を招く場合がある点に留意が必要と思われる。
・同社は、安定配当を基本方針としており、15/8 期に続き 16/8 期も配当性 向は 5 割を超える見込みである。また、株主優待制度を導入しており、株 主に商品券または優待商品などを贈呈している。

 

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。