ワイヤレスゲート<9419> 新規事業のSIM カード販売事業の赤字解消が課題

2016/03/09

無線通信サービスのアグリゲーター国内最大手
新規事業のSIM カード販売事業の赤字解消が課題

業種:情報・通信業
アナリスト:松尾 十作

◆ 高速ワイヤレス・ブロードバンドサービスを提供
・ワイヤレスゲート(以下、同社)は、通信インフラを所有しない仮想移動体通信事業者(MVNO)として、複数の無線通信事業者から通信インフラを借り受け、高速ワイヤレス・ブロードバンドサービスを、個人向けに提供しているアグリゲーターである。

1512月期決算は修正予想を上回る
・15/12期決算は、前期比24.2%増収、34.0%営業増益であった。売上面ではモバイルインターネットサービスの伸長、利益面では増収に伴う固定費負担減が貢献した。
・15年10月に下方修正された同社予想に対する達成率は、売上高で100.5%、営業利益で110.8%であった。利益面での達成率の高さは販促費の予算の一部を次期に先送りしたためである。

◆16年12月期業績予想
・16/12期について同社は前期比13.4%増収、17.4%営業増益、0.5%経常増益を見込んでいる。持分法適用会社となるフォン・ジャパンの株式取得にともない、のれんの償却を考慮した持分法投資損失が発生するなど、16/12期の営業外収支は183百万円の支出超になると同社は説明している。
・証券リサーチセンター(以下、当センター)は、前回レポート(15年8月発行)で行った業績予想を減額修正し、14.9%増収、17.4%営業増益、0.5%経常増益を予想する。15/12期実績に鑑み、事業別売上高、売上総利益率、期末会員数等を修正したことが主因である。

◆投資に際しての留意点
・同社は株主還元についてDOE(株主資本配当率)を高水準に維持したいとしている。ただし、DOEの具体的な数値目標は公表していない。
・同社は16/12期の1株当たり配当金を前期比1円増の27円と予想している。当センターも27円配を予想する。17/12期以降については、増益基調の持続と高水準のDOE維持を想定し、毎期増配を予想する。

 

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。