Fブラザーズ<3454> 自己勘定による賃貸不動産投資と開発案件などの新規分野への展開に注力

2016/02/29

独立系不動産私募ファンド運営会社
自己勘定による賃貸不動産投資と開発案件などの新規分野への展開に注力

業種:不動産業
アナリスト:大間知淳

1.会社概要
・ファーストブラザーズ(以下、同社)は、機関投資家に対して私募ファンドの形式で不動産ファンドの運用サービスを提供するほか(投資運用事業)、自己資金の運用と顧客に対する各種金融アドバイザリーサービス(投資銀行事業)を手掛けている不動産会社である。

2.財務面の分析
・09/11 期~15/11 期の業績は年平均 17.5%増収 91.2%経常増益と、ファンド投資案件の売却関連収益の実現を背景に、大幅な利益拡大を記録した。
・他社との比較では、収益性、成長性の観点で魅力的な財務指標を有していると評価できる。

3.非財務面の分析
・同社の知的資本の源泉は、企業理念に基づいて定められた「クライアントファースト」、「パフォーマンスファースト」、「コンプライアンスファースト」という行動規範の実践にある。

4.経営戦略の分析
・不動産売買市況は高値圏にあるとの認識のもと、ファンドの残高を減らしてきたが、今後は安定した収益を期待できる賃貸不動産の自己投資残高の積み上げと、不動産以外の新規分野への投資拡大に注力し、5年後の売上総利益 100 億円(15/11 期 40 億円)の達成を目指している。

5.アナリストの評価
・投資対象が市場には豊富に流通しているサイズの物件である点などから、賃貸不動産投資の拡大戦略は順調に進み、同社の業績拡大につながるとみられるが、セイムボート投資(同じ船に乗るという意味から顧客との共同投資を指す)や新規分野への投資の積極化については、今後 3 期の業績に対する寄与は限定的と判断している。
・営業キャッシュフローが、当面赤字の見込である点や、将来的には赤字、黒字の変動が大きくなるとみられる点には十分な注意が必要である。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。