モバイルクリエイ<3669> アナログタクシー無線廃止による買い替え需要の期末集中が懸念材料

2016/02/05

車両を対象とした移動体管理システムを提供
アナログタクシー無線廃止による買い替え需要の期末集中が懸念材料

業種:情報・通信業
アナリスト:松尾 十作

◆車両動態管理システムが主力
・モバイルクリエイト(以下、同社)は、車両動態管理システムを主力製品としており、ソフトウェアからハードウェアまでを一貫して開発及び販売することにより事業基盤を拡充してきた。
・主力製品の一つは業務用IP無線システムで、従来の業務用無線と異なり、周波数割当てなどの総務省の許認可が不要である点が強みとなっている。

◆16年5月期上期営業利益は予想超過
・16/5期第2四半期累計(以下、上期)決算は、前年同期比16.1%減収、57.9%営業減益であった。前年同期に沖縄プロジェクトの売上高が計上されたが、今上期は大型プロジェクトがなくなり減収となった。減収により固定費負担を吸収できず大幅減益となった。
・期初予想に対する売上高の達成率は、アナログタクシー無線廃止に伴う買い替え需要の一部が下期に先送りされたため84.4%に、営業利益の達成率は当該売上高における単価低下幅が想定より小さかったため102.1%になった。

◆16年5月期業績予想
・16/5期業績について同社は期初予想を据え置き、前期比28.3%増収、44.2%営業増益を見込んでいる。アナログタクシー無線の買い替え需要が、期末にかけて同社の想定通りの売上高になると見込んでいるためである。
・証券リサーチセンターも16/5期業績予想を据え置いた。懸念材料はアナログタクシー無線廃止に伴う買い替え需要の期末集中等により、受注案件の一部の売上計上が17/5期に先送りとなることである。

◆投資に際しての留意点
・同社の有価証券報告書及び四半期報告書によると、一部の機関投資家による保有株数が減少している。機関投資家の保有株売却等により、株価が調整する可能性がある点に留意したい。

 

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。