クオール<3034> 薬剤仕入れの入札制度導入で適正利潤確保が進みBPO 事業も利益率が改善

2016/01/13

大手調剤薬局チェーンの一角で医薬品卸最大手メディパルホールディングスの系列
薬剤仕入れの入札制度導入で適正利潤確保が進みBPO 事業も利益率が改善

業種:小売業
アナリスト:馬目 俊一郎

◆大手調剤薬局の一角で生活圏への出店とCSO事業を強化
・クオール(以下、同社)は大手チェーン調剤薬局の一角で、医薬品卸最大手のメディパルホールディングスの持分法適用会社である。
・異業種連携で駅ナカなどの生活圏での調剤薬局の出店を加速させながら、BPO事業の強化により、診療報酬改定による保険薬局事業の業績への影響を補うとともに持続的な利益成長を目指している。

◆16年3月期上期決算は計画を上回る
・16/3期第2四半期累計(以下、上期)決算は、売上高が前年同期比5.7%増の587.9億円、営業利益は同75.6%増の27.2億円と、計画(売上高577.5億円、営業利益16.0億円)を上回った。薬剤仕入れの入札制度導入による保険薬局事業の利益率向上に加え、BPO事業も不採算部門売却で利益率が改善した。

◆16年3月期は保守的に期初の会社計画を据え置き
・16/3期上期は営業利益が同社の計画を上回ったにも拘らず、通期業績について同社は保守的に期初計画を据え置き、売上高は前期比10.0%増の1,258.0億円、営業利益は同18.1%増の50.1億円を見込んでいる。

◆証券リサーチセンターは16年3月期の利益予想を増額修正
・証券リサーチセンターは上期の状況を考慮に入れ、16/3期の売上高を1,253.0億円→1,230.0億円(前期比7.6%増)、営業利益を52.0億円→62.0億円(同46.1%増)へと修正した。BPO事業の不採算部門を売却したため、売上高を減額修正したが、利益面では保険薬局事業とBPO事業の利益率改善で保険薬局事業の質の向上に向けた投資負担を補えると予想した。
・同社は15年10月末に転換社債型新株予約権付社債を発行した。最大で発行済株式数の15.5%に相当する株式数の増加が起こり、株価は下限行使価額である1,799円を意識した展開が想定される。

 

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。