大冷<2883> 競争激化で 16 年 3 月期上期業績は冴えないが、下期以降の回復に期待

2015/12/29

骨なし魚のパイオニアを自負するファブレス企業
競争激化で 16 年 3 月期上期業績は冴えないが、下期以降の回復に期待

業種:食料品
アナリスト:藤野敬太

◆ 骨なし魚を中心に展開する業務用冷凍食品のファブレス企業
・大冷(以下、同社)は業務用冷凍食品のファブレス企業で、骨なし魚(骨を抜いた魚およびその切り身)のパイオニアであり、同社の売上高の約半分を骨なし魚が占めている。

◆ 16 年 3 月期上期決算の概要
・16/3 期第 2 四半期累計(以下、上期)決算は、売上高が 14,029 百万円(前年同期比 2.4%増)、営業利益が 604 百万円(同 33.2%減)と、増収営業減益となった。期初の会社計画に対して、売上高、営業利益とも未達となった。
・骨なし魚において、15/3 期下期から、競合他社の参入による競争が激化している。シェアを守る方針により、値引きを行った案件が発生し、予想通りに売上総利益率が大きく低下した。競争激化の度合いは、総じて想定通りの厳しさだったと言える。

◆ 16 年 3 月期の業績予想
・16/3 期業績について、同社は、売上高 28,550 百万円(前期比 5.1%増)、営業利益 1,320 百万円(同 13.3%減)という期初予想を据え置いた。
・証券リサーチセンター(以下、当センター)では、競争の長期化の可能性を考慮して、会社計画を下回る水準を予想していた。上期の売上総利益率の推移と、直近の競争環境が緩和しつつある状況、販売管理費の抑制状況を考慮に入れ、売上高 28,525 百万円(前期比 5.0%増)、営業利益 1,354 百万円(同 11.0%減)と、会社計画を若干上回る水準にまで予想を引き上げた。

◆ 中期業績予想
・当センターでは、16/3 期の業績予想見直しに伴い、17/3 期以降の業績予想も上方修正した。
・競争緩和による売上総利益率の緩やかな回復と、販売管理費の伸びの抑制により、17/3 期には営業利益率は 5%台を回復するものと予想する。

 

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。