東京ボード工業<7815> 16 年 3 月期上期は大幅減益も、新製品で下期の巻き返しを目指す

2015/12/25

首都圏を地盤とする廃木材のリサイクル企業
16 年 3 月期上期は大幅減益も、新製品で下期の巻き返しを目指す

業種:その他製品
アナリスト:大間知  淳

◆ 廃木材をパーティクルボードに再生するリサイクル企業
・東京ボード工業(以下、同社)は、建設・解体現場で発生する木質廃棄物をグループ会社で収集運搬を行い、自社工場でチップ化した後、成形加工してパーティクルボードに再生している。
・パーティクルボードは再びグループ会社によって建設現場に配送されており、同社グループ内だけで木材のリサイクルが完結している。

◆ 16 年 3 月期上期決算は 42%営業減益
・16/3 期第 2 四半期累計(以下、上期)決算は、3.9%減収、42.1%営業減益であった。主力製品の PB の販売数量減少に労務費などの固定費増加が加わり、大幅減益を余儀なくされた。
・同社は上期の予想を公表していなかったが、社内計画に対しては売上高、営業利益、経常利益は若干の未達とコメントしている。

◆ 16 年 3 月期予想
・16/3 期について同社は期初予想を据え置き、8.5%増収、7.5%営業減益を予想している。新製品の木材プラスチック再生複合材に関し、当初計画していたペレットではなく単価の高い板での販売の開始や、新製品のフロア台板の販売前倒しを目指していることなどを考慮したためである。
・証券リサーチセンター(以下、当センター)は、売上構成の変化などから従来予想を引き下げ、16/3 期は売上高 6,417 百万円→6,374 百万円(前期比 5.5%増)、営業利益 673 百万円→640 百万円(同 15.1%減)に減額修正する。

◆ 投資に際しての留意点
・横浜のマンション傾斜問題を契機に首都圏のマンション着工は足元で急減している。当センターでは、事態は徐々に沈静化に向かい、マンション着工も年明け以降、回復すると想定しているが、もし問題が予想以上に深刻化した場合、同社の来期以降の業績は当センターの予想を下回る可能性がある。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。