日本アクア<1429> 15 年12 月期は総合ウレタンサプライヤーになるためのチャレンジの年

2015/10/16

硬質ウレタンフォームの建築物断熱材の施工販売で全国展開する唯一の企業
15 年12 月期は総合ウレタンサプライヤーになるためのチャレンジの年

業種:建設業
アナリスト:藤野敬太

1.会社概要
・日本アクア(以下、同社)は、建築物断熱材用の吹付け硬質ウレタンフォームの施工販売を行う企業である。施工体制を全国規模で持つのは同社のみである。

2.財務面の分析
・10/12期~14/12期は、売上高は年平均43.5%、経常利益は同期間で年平均24.5%増のペースで成長した。
・他社との比較では、同社の成長性の高さは目立つものの、収益性や安全性においては、同社より優位にある会社も存在し、特段優位とは言えない。

3.非財務面の分析
・同社の知的資本の源泉は、全国展開された施工体制を構築できた点にある。特に11/12期より、自社で本格的な施工能力を持つようになったことにより、需要増に対応できたことが成長を牽引してきた。

4.経営戦略の分析
・戸建木造住宅向けでは、他の断熱材を硬質ウレタンフォーム断熱材で代替することによるマーケットシェアの拡大、鉄筋コンクリートの建築物向けにゼネコンへの拡販、リフォーム市場には新規に参入していくことで、売上高を伸ばす方針をとっている。
・売上総利益率の低下傾向が続いている。売上高材料費の改善に向けて、自社ブランド原料の製造を本格化させ、使用原材料に占める割合を引き上げることを目指している。

5.アナリストの評価
・証券リサーチセンターでは、短期的には売上総利益率の低下傾向に歯止めがかかるかどうかを注視している。
・売上高材料費率の上昇への対応策の柱である自社ブランド原料の使用の本格化は、同社が志向する総合ウレタンサプライヤーへの転換の一環とも言える。現在の利益率低下に苦しむ局面を乗り越えれば、住宅の省エネルギー化の推進などの政策的な追い風に乗り、業績が拡大に向かう可能性がある。

 

 

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。