Hamee<3134> 両事業のシナジー効果と海外展開で成長を目指す

2015/08/24

スマホグッズの販売とネット通販支援のシステム開発を手掛ける複合型ネット企業
両事業のシナジー効果と海外展開で成長を目指す

業種:小売業
アナリスト:大間知淳

1.会社概要
・Hamee(ハミィ、以下、同社)は、スマートフォン用のアクセサリーを中心としたインターネット販売と卸販売(コマース事業)、EC事業者向けクラウド型バックオフィス業務支援システムの開発・提供(プラットフォーム事業)を手掛ける複合型のインターネット関連企業である。

2.財務面の分析
・10/4期~15/4期の業績は年平均20.2%増収、41.6%営業増益と、売上高、営業利益ベースで過去最高を更新し続けている。
・他社との比較では、財務体質が健全であるほか、コマース事業、プラットフォーム事業ともに成長性が高く、収益性に優れている。

3.非財務面の分析
・同社の知的資本の源泉は、小売と卸売、コマース事業とプラットフォーム事業など事業間のシナジーを追求する経営センスにある。

4.経営戦略の分析
・13年のシステムのプラットフォーム化により、契約社数の増加と顧客単価の引き上げが期待され、プラットフォーム事業を今後の利益成長のけん引役とすることを目指している。
・コマース事業を運営している米国と韓国の子会社では現地版ネクストエンジン(クラウド型ECバックオフィス業務支援システム)の開発を進めており、早期のサービス開始を目論んでいる。

5.アナリストの評価
・EC運営のノウハウを、小さな市場における競争力の源泉にとどめず、自社の開発したシステムを通じて外部に広く提供することで、より大きな収益獲得を目指した同社の経営戦略を評価する。
・現在、小売業に指定されている所属業種が、将来、情報通信業に変更される可能性がある。「仕入れ販売中心で収益性の低い小売企業」という市場の認識が、「限界利益率や資産収益率の高いIT企業」という評価にシフトする可能性がある。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。