DMP<3652> アミューズメント機器向け LSI 出荷は従来予想より後倒しで 17 年 3 月期からの見通し

2015/06/29

グラフィックス技術に特化した研究開発型のファブレス企業
アミューズメント機器向け LSI 出荷は従来予想より後倒しで 17 年 3 月期からの見通し

 

業種:情報・通信業
アナリスト:松尾  十作

◆ グラフィックスプロセッサに特化
・ディジタルメディアプロフェッショナル(以下、同社)は、独自開発したグラフィックス技術を供与し、ロイヤリティを受け取る研究開発型ファブレス半導体ベンダーである。主要顧客は任天堂やオリンパス等である。

◆ 15 年 3 月期は予想を上回る経常損失
・15/3 期決算は、売上高 464 百万円(前期比 30.6%増)、営業損失 462 百万円(前期は 569 百万円の損失)、経常損失 265 百万円(同 365 百万円の損失)であった。
・同社予想に対しては、売上高は 116 百万円下回った。IP コアライセンス事業約 120 百万円が 16/3 期に後倒しとなったためである。利益面では、同社予想の 400 百万円の営業損失に対して、実績は 62 百万円損失が拡大した。

◆ 16 年 3 月期は 4 期連続の営業赤字へ
・16/3 期業績について同社は、売上高 680 百万円(前期比 46.5%増)、営業損失 192 百万円(前期は 462 百万円の損失)を見込んでいる。
・証券リサーチセンターは、16/3 期業績について従来予想を減額修正し、同社予想と同水準を予想する。売上高は、IP ライセンス事業を増額した一方、従来見込んでいた LSI 製品の売上高は開発の遅延から見込まず、営業利益の減額修正は売上高予想の減額修正での売上総利益の減少と、研究開発費を増額したためである。

◆ 投資に際しての留意点
・16/3 期も赤字が予想される。4 期連続の赤字決算となる可能がある点に留意しておく必要がある。
・14 年 7 月 31 日に同社は新製品開発を発表した。この発表を受け、株価は 7 月 30 日終値の 646 円から出来高を伴って急騰し 8 月 26 日には9,180 円の高値を付けたが、その後反落し調整が続いている。今後も新製品に対する思惑を背景とした株価の変動が起こり得る点にも留意しておく必要があろう。

 

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。