クオール<3034> 入札制度導入で保険薬局事業の利益率回復とCSO 事業の利益寄与が鮮明
大手調剤薬局チェーンの一角で医薬品卸最大手メディパルホールディングスの系列
入札制度導入で保険薬局事業の利益率回復とCSO 事業の利益寄与が鮮明
業種:小売業
アナリスト:馬目 俊一郎
◆大手調剤薬局の一角で生活圏への出店とCSO事業を強化
・クオール(以下、同社)は大手調剤薬局チェーンの一角で、医薬品卸最大手メディパルホールディングスの持分法適用会社である。
・異業種連携で調剤薬局の生活圏出店を加速させながら、製薬企業との契約により営業・マーケティング活動を受託または代行し、医薬品の販売活動に関する一連のサービスを提供するCSO事業の強化で診療報酬改定による保険薬局事業の業績変動リスクの軽減を図っている。
◆15年3月期は入札制度とCSO事業の寄与で営業利益が倍増
・15/3期決算は売上高が前期比13.3%増の1,143.6億円、営業利益は同2.0倍の42.4億円であった。売上面では保険薬局事業のM&A効果と既存店好調に加え、CSO事業も需要を取り込み伸長した。利益面では医薬品の仕入価格交渉への入札制度導入による利益率改善、CSO事業の稼働率向上が寄与した。
◆16年3月期の会社計画は18.1%営業増益の見通し
・16/3期の会社計画は売上高が前期比10.0%増の1,258.0億円、営業利益は同18.1%増の50.1億円を見込んでいる。調剤薬局の新規出店とM&Aを模索しながら、CSO事業の規模拡大を進める方針である。
◆証券リサーチセンターの16年3月期予想はほぼ会社計画並み
・証券リサーチセンターは16/3期業績について売上高が前期比9.6%増の1,253.0億円、営業利益は同22.6%増の52.0億円とほぼ会社計画並みを見込んでいる。診療報酬改定2年目の16/3期は薬価差の拡大が見込まれることから、保険薬局事業の利益率上昇を予想するほか、その他事業はCSO事業の伸長を見込んでいる。