竹本容器<4248> 地道に親子 3 代で積み上げた金型資産の土壌にスタンダードボトルの花が咲く
浅草・合羽橋発祥の消費財向け容器メーカー
地道に親子 3 代で積み上げた金型資産の土壌にスタンダードボトルの花が咲く
業種:化学
アナリスト:藤野敬太
1.会社の概要
・竹本容器(以下、同社)は、化粧品・美容、食品、医薬品向けの容器メーカーであり、多品種少量生産に対応できることを最大の強みとする。
・長年かけて蓄積してきた金型資産を活用して製造する容器(スタンダードボトル)をベースとしたビジネスモデルが、短納期や少ロット生産で、かつ、カスタマイズされたデザインの包装容器の供給を求める消費財メーカーのニーズに合致している。
2.財務面の分析
・09/12 期~14/12 期まで売上高は年平均 6.1%で成長してきた。12/12 期より中国の子会社が連結対象となって以降、中国での売上高の伸びが全体の売上増加を牽引してきた。
・経常利益は、東日本大震災の影響で落ち込んだ 11/12期を底にして、以降は増益が続き、8%近辺の経常利益率となっている。
3.非財務面の分析
・同社の競争力の源泉であるスタンダードボトルをベースとしたビジネスモデルは、初代社長の時代から自社ブランドを持つことを目標としてきた戦略、それを支えるべく地道に積み上げられてきた金型資産の厚み、金型資産を有効活用するプロセスが背景にある。
4.経営戦略の分析
・競争力の源泉をさらに強化すべく同社は金型投資を加速させるとともに、金型の更なる有効活用を目指して、提案型の営業にシフトしていく意向であり、これらを通じて、金型保有というード、提案型営業というソフトの両輪での成長を目指している。
5.アナリストの評価
・10 年前に現在の社長にバトンタッチされてからの経緯からは、初代から始まった金型資産の蓄積の加速、蓄積された金型資産の最大活用という、事業承継において大事な、「変えざるべきもの」の見極めができていると判断される。事業承継と上場によってアクセルが踏まれる世界展開は、想定以上の時間がかかる可能性も考えられるが、スタンダードボトルビジネスが世界で花咲くことを期待したい。