TENTIAL(325A)新製品投入とマス広告による認知度向上でハイペースの業績拡大を計画
独自企画・開発の機能性ナイトウェア「BAKUNE」等をオムニチャネル販売
新製品投入とマス広告による認知度向上でハイペースの業績拡大を計画
業種:繊維製品
アナリスト:村木雄一
◆ 独自企画・開発の機能性ナイトウェア「BAKUNE」などを販売
TENTIAL(以下、同社)は、「コンディショニング注1を日常生活に簡単に取り入れること」を目的とするブランド「TENTIAL」を運営し、TENTIALブランドの商品を企画・開発・販売を行う「コンディショニングブランド事業」を行っている。
TENTIALブランドでは、健康維持とコンディショニングにおいて重要とされる「休養(睡眠)」「運動」「食事」の中にあって、特に「休養(睡眠)」にフォーカスした商品開発とブランド認知度向上に努めており、24年末時点で100を超える品目数(サイズ違い及び色違いを考慮しない集計)の商品を展開している(図表1)。
中でも、着用時の睡眠の質を向上させることを目的とした機能性ナイトウェア「BAKUNE」が、シリーズ全体で24/1期売上高の8割超を占める主力商品となっている。従来、睡眠の質を向上させるというコンセプトの商品には枕や布団などが多かったが、パジャマをはじめとするナイトウェアに機能を持たせた点に独自性がある。
同社の商品は全て自社で企画・開発したものである。製造および物流に関しては外部に委託しているが、マーケティング、販売、サポートも同社自身で行っている。川上から川下まで同社が主体的に関与することで、顧客の声を商品企画にすみやかに反映することが可能となっている。
◆ 5種類の販売チャネルを持つ
同社は、自社EC、ECモール、直営店、卸売、その他の5種類の販売チャネルを持っている(図表2)。ネットを通じて簡単に商品を購入できるようにすると同時に、リアル店舗において試着することにより機能性や着用感を確認できる環境を提供するなど、いわゆるオムニチャネル展開を行っている。このうち、同社が自ら販売を行うチャネルは自社ECと直営店で、合わせると24/1期売上の65.9%を占める。
① 自社EC
自社ECサイト「tential.jp」に商品を掲載し、消費者に直接販売するもので、24/1期の売上高の54.6%を占めた。「tential.jp」は開発・運営などを自社で行っている。顧客の属性や購買・行動履歴などの各種データは同社のエンジニアやデータアナリストが分析を行い、商品開発などにフィードバックされている。
また、「tential.jp」では、単に商品の販売を行うにとどまらず、スポーツマン、アーティスト、料理人、ファッションモデルなど、さまざまな分野のプロフェッショナルのコンディショニングに関する取り組みを紹介する「Conditioning Magazine」のコーナーを設けるなどの手段を通じて、顧客にTENTIALブランドの哲学や価値観を浸透させることにも力を入れている。
② EC モール
Amazon、楽天市場及びYahoo!ショッピングなど、利用者の多いECモールに出店することで、「tential.jp」とは異なる顧客層にアプローチしている。ECモールでの販売は24/1期の売上高の23.3%を占めた。なおECモールの運営会社に対して販売額に応じた手数料を支払っている。
③ 直営店
大都市圏の百貨店やショッピングモールなどに同社が「TENTIAL」の名称で直営店舗を出店し、商品を販売するものである。25年2月末現在の店舗数は9店舗で、直営店チャネルは24/1期売上高の11.3%を占めた。
店舗の賃借料やスタッフの人件費といった負担があるものの、集客力のある商業施設に出店することでECではリーチしにくい客層にアプローチできるほか、商品の発送にかかる物流費の必要がないなどのメリットがある。
④ 卸売
全国の紳士服店や雑貨店、家電量販店などへ同社商品を販売するもので、24/1期の売上構成比は10.6%であった。24年末時点の展開店舗数は134店舗であり、直営店舗とは異なる商圏の顧客に同社商品を訴求することが可能となっている。なお、卸価格での販売となるため、価格は他販売ルートよりも低いものの(平均的な掛け率(卸価格÷小売価格)は60%)、在庫リスクはない。
⑤ その他
ホテルなどの事業者からの注文を受けて商品を直接納品するもので、24/1期売上高の0.2%を占めた。

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