ケイ・ウノ(259A)主要販売チャネルは国内店舗でブライダルジュエリーを中心に販売

2024/10/11

製販一貫体制でオーダーメイドジュエリーを提供
主要販売チャネルは国内店舗でブライダルジュエリーを中心に販売

業種:小売業
アナリスト:髙木伸行

◆ オーダーメイドジュエリーを製造・販売
ケイ・ウノ(以下、同社)グループは、同社、連結子会社であるユートレジャーとタイの製造子会社であるU‐International Factory、及び持分法適用関連会社である台湾の愷吾柔璞琳夢からなり、ジュエリーや時計の製造・販売を行っている。

同社グループはオーダーメイドジュエリーの販売を強みとしており、フルオーダーメイドに加え、決まったデザインの商品に宝石や彫金を追加する部分的なオーダーメイド(同社ではアレンジオーダーメイドと呼んでいる)、そして既製品も提供している。

同社のオーダーメイドジュエリーは決まったパターンから選ぶのではなく、デザイナーが顧客の要望に沿ってデッサンを描きながらデザインし、1点もののジュエリーを製作するものである。殆ど全ての店舗にデザイナーや職人が常駐しており、販売員(同社では「アドバイザー」と呼んでいる)とともに顧客対応を行っている。

オーダーメイド時計についてもジュエリーと同じようにデザイナーがデザインを描いて提案するものから、ケース、ダイヤル(文字盤)、ストラップなどをラインアップのなかから選び、組み合わせることで製作するセレクトオーダーメイド時計など、様々な時計が提供されている。

同社は、1981年に前社長である久野雅彦氏により個人事業として創業された。当初は既製品の扱いだけであったが、1980年代の中頃からオーダーメイドの扱いを始めた。1991年に法人化し、01年12月に現社名に商号変更した。

同社の社名(ケイ・ウノ、K-uno)は創業者であり前社長であった久野雅彦氏の苗字である「Kuno」に由来しており、「uno」はイタリア語で「1」を表す言葉であることから、オーダーメイドによるオンリーワンの意味が込められている。

◆ ブランド
同社グループのブランドとしては、主力ブランドである「ケイウノ」、ウォルト・ディズニー・ジャパン(東京都港区)とライセンス契約を締結し、オーダーメイドから既製品まで幅広いジュエリーを取り扱うブランドである「Disney Treasure created by K.UNO」、ウルトラマンやポケモンといったアニメやゲームなどのキャラクタージュエリーを取り扱うブランド「U-TREASURE」が挙げられる(図表1)。

23/9期のブランド別売上構成比はケイウノが62%、Disney Treasure created by K.UNOが27%、U-TREASUREが11%、製品構成ではブライダルが71%、ファッションが29%であった。

◆ 販売
ケイウノ及びDisney Treasure created by K.UNOを扱うのは国内31店舗、ブライダルジュエリーの企画・販売を行うプリモ・ジャパン(東京都中央区)の台湾子会社との合弁会社である愷吾柔璞琳夢(同社の持分法適用関連会社)が運営する3店舗の合計34店舗となる。U‐TREASUREについては国内2店舗(うち1店舗は同社との資本関係がない先が保有)で販売されている。

店舗販売の他、EC販売も行っている。ちなみに台湾3店舗、資本関係のない先が保有するU‐TREASURE1店舗に関しては、同社の売上高として認識されるのは、これらの店舗への卸販売額となる。この他、中国本土、香港などに向けても卸販売を行っている。

また、パートナー企業から委託を受けて製品をデザイン、設計、生産するODM(Original Design Manufacturing)も行っている。

ケイウノ及びDisney Treasure created by K.UNOの国内販売については北海道から沖縄までをカバーしている(図表2)。国内31店舗においては、原則としてアドバイザー(販売員)に加えて、デザイナー、職人が常駐しており、オーダーメイドジュエリーに関するカウンセリングを行っている。台湾の3店舗においても日本同様、オーダーメイドジュエリーの販売を行っている。

ケイウノの店舗は「幸せのジュエリーをつくる妖精が住むお店」をコンセプトとしており、直線を極力抑えた店舗デザインとなっている(図表3)。

◆ 製造
同社はデザインから製造・販売を自社で一貫して行っており、店舗や工場に60名以上のデザイナーと150名以上の職人を配している。

この一貫体制において重要な役割を果たす製造体制は国内3工場とタイ子会社であるU‐International Factoryによって支えられている。国内では神奈川県、愛知県、大阪府に工房を持ち、それぞれでオーダーメイド品の製造を行っている。タイ工場は22年1月に、ファッションジュエリーの既製品の取扱量の増加に対応するのを目的に開設された。23/9期のタイ子会社の製作本数は前期比91.6%増の14,326本となり、グループ全体の製作本数の20.7%を占めるまでに拡大している。

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