西部技研(6223)シクリカルなニッチ分野におけるグローバルプレーヤーとして評価したい

2024/09/06

デシカント除湿機とVOC濃縮装置等を製造販売
シクリカルなニッチ分野におけるグローバルプレーヤーとして評価したい

業種:機械
アナリスト:大間知淳

1.会社概要
・西部技研(以下、同社)は、ハニカム成形技術を用いて開発したデシカント除湿機やVOC濃縮装置等を、スウェーデン、中国、アメリカ、ポーランド、韓国、ケニア等の子会社との緊密な連携のもと、約50カ国で販売するグローバルメーカーである。23/12期の製品別売上高構成比は、デシカント除湿機64.6%、VOC濃縮装置25.4%、その他10.0%であった。
・23/12期の海外売上高比率は、中国を中心に75.0%に達しており、証券リサーチセンター(以下、当センター)では、同社をシクリカルなニッチ分野におけるグローバルプレーヤーとして評価している。

2.財務面の分析
・中国や米国等の海外と国内でデシカント除湿機等が急拡大したため、21/12期から23/12期に掛けて、売上高は年平均28.5%増加した。一方、営業利益は、好採算の大型案件の貢献等により、同52.5%増加した。
・財務の安全性と成長性の面で類似企業に比べ魅力的である。

3.非財務面の分析
・知的資本の源泉は、ハニカムローター等の技術力とグローバル展開力にある。

4.経営戦略の分析
・同社は、コア事業(デシカント除湿機とVOC濃縮装置の機器販売・サービス)の欧米市場でのシェア拡大と、成長分野であるエンジニアリング事業拡大による継続的な利益成長を経営戦略として掲げている。

5.アナリストの評価
・当センターでは、24/12期の業績について、24/12期上期実績や、同社の施策等を踏まえ、前期比15.2%増収、0.5%営業増益と予想した。
・当センターでは、デシカント除湿機とVOC濃縮装置の拡大を想定し、25/12期は前期比5.7%増収、10.2%営業増益、26/12期は同5.7%増収、9.7%営業増益を予想している。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。