フィットイージー(212A)FC店を中心として新規出店を継続し、事業規模拡大を目指す
アミューズメント要素を取り入れたフィットネスクラブ「FIT-EASY」を全国に展開
FC店を中心として新規出店を継続し、事業規模拡大を目指す
業種:サービス業
アナリスト:佐々木加奈
◆ フィットネスクラブ「FIT-EASY」を全国に展開
フィットイージー(以下、同社)は、「新たなフィットネス文化の創造で世界を変えていく」をミッションに掲げ、インドアシミュレーションゴルフや個室サウナなど様々なアミューズメント要素を取り入れ、会員が楽しみながら健康を目指すことができるフィットネスクラブ「FIT-EASY(フィットイージー)」を展開している。同社に連結子会社はなく、フィットネスクラブ運営事業の単一セグメントである。
同社の設立は18年7月で、同年9月に本社所在地である岐阜県及び愛知県に4店舗を同時にオープンした。その後、直営、フランチャイズ・チェーン(以下、FC)の両方式での新規出店を進め、22年9月に直営、FC合計で100店、24年3月に150店を達成した。
24年5月末時点の店舗数は直営25店、FC133店の合計158店である(図表1)。出店地域は北海道から九州までの全国にわたっているが、中部エリアの店舗数が104店と大きな部分を占めている。
店舗は、駅から徒歩数分内の立地やビジネス街、車で通える郊外ロードサイドなどが中心であるが、近年はターミナル駅付近や商業ビル内、ショッピングモール内などへの出店も進めている。店舗の規模は、駅前立地や郊外ロードサイド等を問わず、フロア面積200坪を標準としている。
◆ 「FIT-EASY」の概要
同社が運営する「FIT-EASY」は、健康増進や筋力アップのためのトレーニングマシンのみを設置したフィットネスクラブではなく、多様なアミューズメント要素を取り入れて会員が楽しみながら健康になることを目指すことができるアミューズメントフィットネスクラブ注1である。アミューズメント要素としては、FIT-GOLF(インドアシミュレーションゴルフ)、FIT-RACE(プロドライバー監修の本格レーシングシミュレーター)、FIT-SAUNA(個室サウナ)、FIT-LOUNGE(インターネット環境を完備したラウンジ)、岩盤浴、日焼けマシン、セルフエステなどが挙げられる。
同社は非日常で洗練された「サードプレイス(自宅でも職場でもない第3の場所)」の提供を目指しており、色彩理論に基づいた内装、マットの配色、店内デザイン、ライティングやアロマディフューザー(香りを拡散して楽しむ器具)の設置など、こだわった空間演出に注力している。
24年5月末時点の「FIT-EASY」の月会費は、通常会費7,150円(税込み)、FIT-GOLF利用会費7,678円(税込み)となっている(入会時には入会金3,300円、事務手数料2,200円の初期費用が必要となる)。会員は全店舗が利用できるため、勤務先や出張先の店舗、自宅近くの店舗、旅行先の店舗など、生活の中の様々な場面で利用が可能である。尚、同社はAI顔認証による入館システムを直営、FCの全店に導入し、会員が気軽に店舗を利用できる仕組みを構築している。
◆ 収益構造
同社の売上高には、1)直営売上、2)運営売上、3)開発売上がある(図表2)。23/10期の売上構成比は、直営売上26.7%、運営売上23.6%、開発売上49.3%である。尚、その他売上としてFC店に対するトレーニングマシンのリースによる売上(売上構成比0.5%)がある。
1)直営売上
「FIT-EASY」の直営店における会費収入が中心で、ストック型の収入である。会費収入の他に、店舗での商品販売に係る収入がある。
2)運営売上
FC店からのロイヤリティ収入、システム利用料、広告等分担金などで、直営売上と同様に会員数の伸びに比例するストック型の収入である。同社は、1店舗ごとの会員数に応じたロイヤリティを加盟店から毎月受け取っている。
3)開発売上
FC店の新規出店時に、トレーニングマシンや店舗設備等を同社が業者から仕入れてFC店に販売することによる売上高、FC加盟契約時に受け取る加盟金、直営店からFC店への店舗売却に係る売上高で、FCの出店数により増減するフロー型の収入である。