アズパートナーズ(160A) 25年3月期も稼働率向上と自社開発物件の売却で大幅増益見込む

2024/04/11

介護付きホーム「アズハイム」運営などシニア事業と不動産事業の両輪経営
25年3月期も稼働率向上と自社開発物件の売却で大幅増益見込む

業種:サービス業
アナリスト:村木雄一

◆ 首都圏で介護付きホーム運営などシニア事業と不動産事業を展開
アズパートナーズ(以下、同社)は、首都圏で「アズハイム」ブランドによる(介護付有料老人ホーム(以下、介護付きホーム)の運営などを行うシニア事業と、老朽化した不動産の再生などを行う不動産事業の2事業を行っている(図表1)。

◆ シニア事業
「アズハイム」ブランドで、(1)介護付きホーム事業、(2)デイサービス事業、(3)ショートステイ事業を行っている。なお、基本的に、サービスを提供する施設については、用地を保有するオーナーの負担で建物を建て、同社は出来上がった施設をオーナーから固定賃料で賃借する形態となっている。

(1)介護付きホーム事業
介護付きホームを運営する事業である。東京、神奈川、埼玉、千葉の一都三県の中でも、人口が密集しており、所得が高い国道16号線の内側で現在27事業所を展開している。

支援や介護が必要な入居者に対して、ケアプラン(介護サービス計画)に基づき、入浴、排泄、食事等日常生活の世話や機能訓練、及び療養上の世話を行っている。なお、同社物件の入居者の年齢は85~90歳、要介護度は2~3というのが平均的なイメージである。

同社の売上には、月々の入居者からの家賃、管理費、水道光熱費及び食費に加えて、介護報酬(入居者負担1~3割、残りは介護保険から支払われる)が計上される。

同社のサービスは所在地周辺における中高所得者層をターゲットとしており、月額利用料(家賃、管理費、水道光熱費、食費、介護報酬自己負担分の合計)は30万円台が中心となっている。また、入居時に入居一時金として家賃相当分の全額(5年分に相当)を一括払いすることによって、月額利用料を20万円以下に抑えるプランも用意されている。

(2)デイサービス事業
デイサービス(通所介護)施設を運営する事業である。現在、東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城で16事業所を展開している。

日中、支援や介護が必要な利用者を自宅から事業所まで送迎し、集まった利用者に入浴、排泄、食事等、日常生活の世話や機能訓練を行っている。利用者は1日7時間以上事業所に滞在するが、宿泊することはない。

同社の売上には、昼食代(750円)、おやつ代(100円)、介護報酬が計上される。介護付きホーム事業とは異なり、様々な所得水準の利用者が利用している。

(3)ショートステイ事業
ショートステイ(短期入所生活介護)サービス施設を運営する事業である。現在、東京、神奈川、埼玉で4事業所を展開している。

支援または介護が必要な利用者に入浴、排泄、食事等日常生活の世話や機能訓練を行っている。デイサービスと異なり宿泊も可能である。

同社の売上には、1日2,000~3,000円の滞在費、食費(朝450円、昼750円、夜850円)と介護報酬が計上される。様々な所得水準の利用者が利用している。

◆ 不動産事業
(1)シニア開発事業
同社が土地を仕入れ、介護付きホームを建設して不動産投資家、REIT等に売却する事業である。

同社が売却後も介護付きホームの運営を行う場合は、同社の介護付きホームの運営実績が投資家へのアピールポイントとなることもあって、比較的高い収益が期待できる。

また、物件の規模が同社自身で手掛けるには小さかったり、所在地が同社の展開地域から外れていたりする場合には、運営を他社が行う形態を取ることもある。

(2)ソリューション事業
首都圏、特に東京23区内において、老朽化した賃貸アパートやマンションなどを同社が買い入れた後、入居者の移転交渉を行い、建物を解体した後に土地のみを不動産業者やエンドユーザーに売却する事業である。

同社では、手掛ける物件を50坪から200坪程度の比較的小型の物件を中心にして分散を図るとともに、建物を建てず土地の状態で売却することにより物件取得から売却可能な状態にするまでの期間を1年程度に抑え、市況変動などのリスク回避を図っている。

(3)収益不動産事業
同社が賃貸マンションやオフィスビルなどの収益不動産を取得して、テナントや入居者に賃貸する事業である。現在、東京、埼玉、茨城で9物件が稼働している。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
ホリスティック企業レポート   一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。

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