STG(5858) クルマの電動化に伴う軽量化ニーズの高まりで需要拡大が見込まれる
マグネシウムダイカスト製造に強み
クルマの電動化に伴う軽量化ニーズの高まりで需要拡大が見込まれる
業種:非鉄金属
アナリスト:百谷淳一
◆ マグネシウム部品の一貫生産体制で高い競争力を誇る
STG(以下、同社)は、実用金属で最も軽いマグネシウムやアルミニウムを原材料とした様々な工業製品の部品製造加工を得意とする企業である。特にマグネシウム合金加工に強みを持ち、金型の設計・製造、ダイカスト注1、機械加工まで一貫製造しており、タイ、マレーシアなど海外展開も進んでいる。今後は、特にクルマの電動化の進展に伴う軽量化ニーズの高まりで、同社のマグネシウム部品売上の成長が期待できる(図表1)。
◆ 鋳造加工事業
同社の事業は、金属部品鋳造及び加工事業の単一セグメントである。製造工程は、金型設計・製造から始まり、一次加工である鋳造(ダイカスト)、次いで二次加工(機械加工、ショットブラスト、化成処理等)等から成る。
◆ 主要製品・主要顧客
主力製品は、自動車部品、高付加価値カメラ、監視カメラ、プロジェクター、プリンター、医療機器等向けの軽量化金属部品である。今後は特に自動車の軽量化の流れで、マグネシウム製自動車メーターパネル注2の需要増加が期待される。
販売先としては、22/3期はミラーレスカメラ部品等を手掛けるCBC(東京都中央区)向け比率が23.6%と高かったが、23/3期には監視カメラ等を手掛けるスウェーデンのAXIX Communications、セイコーエプソン向けダイカスト部品等を手掛ける甲信工業(長野県塩尻市)、CBCの3社がほぼ同様の構成比となった。24/3期第3四半期累計期間では、欧州完成車メーカー向けに自動車メーターパネルを大きく伸ばしている三菱電機(6503東証プライム)向けの構成比が12.9%に急上昇した。同社は、三菱電機向け自動車メーターパネルについては全モデルを受注しているもようで、今後も高い成長が続く見通しである。