インバウンドプラットフォーム(5587) 訪日外国人向けWi-Fi事業の拡大と生活サポートサービス拡充で成長を目指す

2023/09/01

外国人向けにWi-Fi端末レンタルや生活サポートサービスを提供
訪日外国人向けWi-Fi事業の拡大と生活サポートサービス拡充で成長を目指す

業種:情報・通信業
アナリスト:鎌田良彦

◆ 外国人向けを中心に3つの事業を展開
インバウンドプラットフォーム(以下、同社)は、訪日外国人、在留外国人向けを中心に、Wi-Fi端末レンタルサービスのWi-Fi事業、在留外国人向け生活サポートサービスのライフメディアテック事業、キャンピングカーレンタルのキャンピングカー事業の3つの事業を行っている。

22/9期の売上高構成比は、Wi-Fi事業が62.1%、ライフメディアテック事業が33.9%、キャンピングカー事業が3.5%だった(図表1)。

◆ Wi-Fi事業
Wi-Fi事業では、Japan Wirelessのサービスブランドで訪日外国人向けに国内用Wi-Fi端末のレンタルを、グローバルモバイルのサービスブランドで国内法人向けの国内用Wi-Fi端末レンタルと、海外渡航者向けの海外用Wi-Fi端末のレンタルを行っている。訪日外国人向けでは欧米圏の顧客が多い。

足元の売上構成比は、訪日外国人向けが6割程度、国内法人向けと海外渡航者向けが各々2割程度となっている。国内用Wi-Fi端末レンタルの主な料金プランは、訪日外国人向けが14日間で11,050円、国内法人向けが月額6,000 円となっており、訪日外国人向けの単価が高く、収益性も高い。

訪日外国人向けWi-Fi端末レンタルでは、顧客は訪日前にJapan Wirelessのサイトで契約してクレジットカードでの支払いを済ませ、訪日時に空港のカウンターまたは滞在先のホテル等でWi-Fi端末を受け取り、帰国前に同封のレターパックでWi-Fi端末の返却を行う。

Wi-Fi端末は1日当たりの通信量による通信速度の低下がないデータ無制限の端末となっている。顧客は、同社のコールセンターによる英語、スペイン語、フランス語、中国語、韓国語、ベトナム語の6言語によるカスタマーサポートを受けることができる。

国内法人向けでは、事業法人に加え、官公庁や教育機関での利用が多く、用途もリモートワーク、研修、営業、出張等多岐に亘る。

◆ ライフメディアテック事業
ライフメディアテック事業では、在留外国人向けに提携企業のサービスをWeb上で多言語で紹介し、同社のカスタマーサポート部門に属するコンシェルジュがサービス購入までのサポートを行い、サービス紹介の広告料やサービスが提供された際の取次手数料を得ている。

主なサービスとしては、不動産情報・賃貸仲介サービス(Living Japan)、空港送迎サービスの取次(Airport Taxi)、音声SIMカード取次(Japan Wireless Mobile)、PCR検査を中心とする医療機関取次(Clinic Nearme)がある。

また、在留外国人向けのオウンドメディアであるJapan Web MagazineやチャットコンシェルジュアプリTabikoの運営を行っている。Japan Web Magazineでは同社のライターによる在留外国人向けの情報発信、同社サービスの紹介、他社のサービスの広告掲載等を行っている。Tabikoでは、同社のカスタマーサポート部門のコンシェルジュによるチャットサポートサービスを行っている。

◆ キャンピングカー事業
キャンピングカー事業では、国内で18台のキャンピングカーを保有し(23年6月時点)、訪日外国人、日本人顧客向けにキャンピングカーのレンタルを行っている。また、米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドで、日本人顧客向けにキャンピングカーレンタルの取次を行っている。

◆ 各事業の重要指標
同社は、各事業の重要指標として、Wi-Fi事業では稼働端末台数、ライフメディアテック事業では取次件数、キャンピングカー事業では総レンタル日数を挙げている(図表2)。22/9期にライフメディアテック事業の取次件数が大幅に増加しているのは、PCR検査の取次が増加したためである。

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