グラフィコ(4930) 女性視点の商品企画開発を得意とし、ミリオンセラー商品を多数保有
健康食品、化粧品、日用品と幅広く取り扱うファブレスメーカー
女性視点の商品企画開発を得意とし、ミリオンセラー商品を多数保有
業種:化学
アナリスト:藤野敬太
1.会社概要
・グラフィコ(以下、同社)は、健康食品、化粧品、日用品と幅広く取り扱うファブレスメーカーだが、売上高の約77%が酸素系漂白剤「オキシクリーン」である。
2.財務面の分析
・主力の「オキシクリーン」の拡販が牽引し、15/6期から22/6期まで売上高は年平均12.6%のペースで拡大した。しかし当該期間では17/6期と22/6期に経常減益を経験し、経常利益は年平均3.1%の増加に留まった。
・ヘルスケアや化粧品や日用品をファブレスの形態で提供する上場企業との比較では、売上規模は最も小さく、また、売上高当期純利益率が低いために収益性指標の自己資本利益率(ROE)が低い。
3.非財務面の分析
・同社の知的資本の源泉は、事業及び経営を牽引する創業者(人的資本)である。創業者により現在のファブレスメーカーの体制が築かれたが、この過程で、業務プロセスの構築や関係資本の強化が進み、これらのノウハウが蓄積されることで次の商品企画につながる好循環を描いている。
4.経営戦略の分析
・対処すべき課題として、収益基盤の維持・向上、新商品の開発、人材の獲得と育成が挙げられる。
・30年までのロードマップでは、25年まではハウスホールドやヘルスケアを中心とした既存事業の底上げを中心に行う時期、25年以降はM&Aや海外展開を含めた新規事業開発を加速させていく時期としている。
5.アナリストの評価
・証券リサーチセンターでは、クリエイティブ事務所としての強みを併せ持つファブレスメーカーとなり、ミリオンセラー商品を多く投入してきた実績を評価している。一方、最近は新たなミリオンセラー商品が出てこず、「オキシクリーン」への依存度が高くなっていることから、今後の商品ポートフォリオの動向に注目したい。