エリッツホールディングス(5533) 京都、滋賀を中心に近畿圏で事業を行う

2023/07/05

不動産仲介、不動産管理、居住者サポートの各事業を展開
京都、滋賀を中心に近畿圏で事業を行う

業種:不動産業
アナリスト:髙木伸行

◆ 不動産の仲介・管理及び居住者サポートを近畿圏で展開
エリッツホールディングス(以下、同社)グループは、不動産仲介事業、不動産管理事業、居住者サポート事業を京都府、滋賀県を中心とした近畿圏で展開している。同社はグループの統括業務や事務受託業務に加えて、不動産賃貸業務と不動産開発業務も行っており、単なる持株会社ではない。不動産仲介事業、不動産管理事業、居住者サポート事業の各セグメントの22/9期の売上構成比は、各々49.6%、37.3%、13.1%となっている(図表1)。

同社の設立は12年3月だが、エリッツ(同社子会社)の前身である長栄ホームの設立は1989年7月にまでさかのぼる。

22/9期末時点では連結子会社は8社あったが、23年3月1日付で弁慶ひっこしサービスと不動産管理事業を行っていたネクシヴは、連結子会社であるエリッツとエリッツ建物にそれぞれ吸収合併された。現時点では、同社グループは同社と連結子会社6社で構成されている。

(1)不動産仲介事業
不動産仲介事業セグメントでは、不動産賃貸仲介事業、不動産仲介関連事業、不動産売買仲介事業、不動産賃貸事業、不動産開発事業、海外事業を行っている(図表2)。各事業はグループ会社間での顧客や案件の紹介や業務委託など連携を密に行っており、収益機会の社外流出を極力抑える形で運営されている。

1)不動産賃貸仲介事業
不動産賃貸仲介事業についてはエリッツが担っており、京都・滋賀エリアに加え、大阪府、奈良県といった近隣他府県エリアにも店舗網を広げており、店舗網の拡大により契約数も増加している(図表3)。現在は、京都府に37店舗、滋賀県に11店舗、大阪府に6店舗、奈良県に3店舗を展開している(この他、FC店が滋賀県に3店舗、兵庫県に1店舗ある)。

同社が保有する賃貸不動産、エリッツ建物管理がオーナーから管理を受託している物件といった同社グループの管理物件の他、他社管理物件やオーナー自ら管理する物件の賃貸の仲介をしている。

2)不動産仲介関連事業
エリッツの各店舗では火災保険の同社への取次紹介やインターネット接続の同社グループ企業であるVASTへの取次紹介、新電力・ガスといったインフラ接続の取次紹介も行っている。

3)不動産賃貸事業
同社は、足元では、京都市内に賃貸マンション8棟、商業ビル2棟、店舗1件を保有しており、自社で使用するほか、276室の居室と10件のテナントから家賃収入を得ている。保有物件については、エリッツが賃貸仲介し、エリッツ建物管理が管理を行っている。また、物件については収益性を考慮しながら、保有するかどうかを決めており、機動的な取得や処分を行っている。

4)その他
上記の他、エリッツ不動産販売が行う一般住宅及び投資用マンションといった不動産売買仲介事業、不動産開発事業、マレーシアでの不動産事業を行っている。

(2)不動産管理事業
エリッツ建物管理が賃貸マンション・アパートなどの管理物件の保守管理や入居者管理を行っている(図表4)。また、ARC建物管理は分譲マンションの保守管理やマンション管理組合の運営サポートを行っている。分譲マンション管理事業の売上、利益への貢献はさほど大きくない。

自社ビルを除いて24千戸を超える管理戸数があり(図表5)、直近2期間での入居率は約95%を維持している。

(3)居住者サポート事業
同社グループの顧客である管理物件のオーナー、入居者、物件購入者に対して火災保険の勧誘、家賃の滞納保証、鍵の紛失や水回りのトラブルなどに対する24時間・365日駆けつけサービス、インターネット契約、その他のインフラサービスの取次など様々なサービスを提供している(図表6)。

小口多数の取引ではあるが、保険会社、インターネットプロバイダー、新電力会社などの業務提携先がサービスの提供主体であることもあり、低コスト
で採算の良い事業となっている。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
ホリスティック企業レポート   一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。

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