Ridge-i (5572) コンサルを基にアセスメント・開発・導入・運用を意識して AI ソリューションを提供

2023/04/28

社会や顧客の課題を AI を使って解消することを目指す
コンサルを基にアセスメント・開発・導入・運用を意識して AI ソリューションを提供

業種:情報・通信業
アナリスト:髙木伸行

◆ フルカスタムAIの受託研究開発を行う
Ridge-i(以下、同社)は、企業や業界が抱える課題をAIやディープラーニングなどの先端技術を使って解消するために、コンサルテーションに始まり、アセスメント、開発、導入、顧客による運用までを視野に入れた実用的なソリューションを提供する「カスタムAIソリューション事業」を行っている。

売上高は、「AI活用コンサルティング・AI開発」、「人工衛星AI解析」、「AIライセンス提供」の各サービスに分類されている。22/7期の売上構成比はAI活用コンサルティング・AI開発が92.5%、人工衛星AI解析が4.5%、AIライセンス提供が3.0%となった。22/7期は大型のプロジェクトを受注したため前期よりもAI活用コンサルティング・AI開発の構成比が上昇し、売上高の殆どを占めた。

◆ AI活用コンサルティング・AI開発
同社は複数種類のデータと複数のAI技術を組み合わせて高度な判断を行う「マルチモーダルAI」をコア技術とし、技術とビジネスのバランスが取れた最適なソリューションを提案しコンサルティングや開発を行っている。顧客企業が現場で効果を体感できるまで開発から導入までを一気通貫で伴走するサービスを提供している。

同社のマルチモーダルAIは、画像データや動画データの解析に実績と強みをもっているが、音声や数値データにも対応してきており、様々な最新技術を組み合わせて人間の知見や感性を再現することが出来る。

サービス提供のプロセスとしては、AI知識のあるコンサルタントが顧客の課題を理解して戦略を策定し、その戦略をもとにコンサルタントとエンジニアが協力してデータ収集や評価を行い、同社の扱う画像データや他のデータを組み合わせたAIを組み込んだシステムを設計している。その後は実証実験、本格開発に進みエンジニアが実用化まで支援するという流れである。

AIを事業に活用するためには相当の費用と先進性が必要となることから、同社は創業以来の6年間において、40社超の上場企業を含め大手企業との取引が多い。また、一般的にはAIの導入は金融業や情報通信業で進んでいるが、同社の場合は大手製造業の顧客が多いという特徴がある。21/7期、22/7期、23/7期第2四半期累計期間(以下、上期)の主要販売先を見ても製造業が多い(図表2)。なお、22/7期については三菱商事(8058東証プライム)への売上高割合が50%に達しているが、三菱商事の先の最終顧客は製造業である。

荏原製作所(6361東証プライム)の連結子会社である荏原環境プラント向けに、ごみ焼却設備内で、ごみを一時的に貯めておく「ごみピット」を撮影し焼却炉の安定燃焼に向けてごみの種類を自動判別するAIを開発し、ごみの攪拌や焼却炉への投入を行うクレーンの運転時間の9割を自動化することに成功している。また、日本製鉄(5401東証プライム)の連結子会社である日鉄エンジニアリング、建築・デザイン事務所であるnoiz(東京都目黒区)と共同で開発した物流施設平面自動設計ツールALPSやマルチモーダルAIを活用した目視判定技術の実証実験などが開発事例として挙げられる。

◆ AIライセンス提供
同社は過去に開発したAIエンジンの利用ライセンスやプロダクトの提供を行っている。基本的には新たな開発やカスタマイズを伴わず、既に開発済みのものを提供することからストック収益と同社では呼んでいるが、必ずしもライセンスを提供した顧客から継続的な収益が発生するという意味ではない。

パートナー企業の製品やサービスとともに提供されるものが殆どで、サービスの提供方法は主にふたつある。ひとつはAI開発サービスを提供した顧客企業が直接利用し、その顧客からAIライセンス料を受け取る直販型と呼ばれるものである。もうひとつはサービスを持っているプラットフォーム企業にAIエンジンを提供し、そのユーザー企業の利用量に応じて対価を受け取る形式である。現状は直販型が殆どである。

AIライセンス提供の例としては、同社AIが搭載された電子顕微鏡の販売時に受け取るAIライセンス収入や、ごみ識別AIクレーンをごみ処理施設が導入した時に荏原環境プラントから受け取るAIライセンス収入が挙げられる。

◆ 人工衛星AI解析
同社は人工衛星データの収集からAIによる解析までを行っている。人工衛星データと顧客が保有する地上データを組み合わせ、機械学習に必要な独自の教師データを作成し、AIで解析したレポートを提供している。また、継続的に人工衛星データを解析したい顧客に対してはAI解析ツールの提供も行っている。官公庁などの公的機関が顧客となるケースが多い。災害対応、環境保全、インフラ監視やマーケティング目的などに利用されている。

シンクタンクからの依頼に基づく特定のテーマでの衛星データの分析や、さくらインターネット(3778東証プライム)及び駐車場予約アプリを運営するakippa(大阪市浪速区)と共同で、衛星データとAI画像認証を活用して、効率的に駐車場として活用できる遊休地を見つけるプログラム開発が人工衛星AI解析の例として挙げられる。

>>続きはこちら(1,2MB)

一般社団法人 証券リサーチセンター
ホリスティック企業レポート   一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。

このページのトップへ