STIフードホールディングス(2932) 注目点は引き続き、原材料価格の動向と遅延している滋賀工場の立ち上げ

2023/04/07

セブン‐イレブン向けが中心の研究開発型の水産食品メーカー
注目点は引き続き、原材料価格の動向と遅延している滋賀工場の立ち上げ

業種: 食料品
アナリスト:藤野敬太

◆ 会社概要
・STIフードホールディングス(以下、同社)は、水産原料素材の調達から製造・販売までを自社で一貫して行う水産食品メーカーである。セブン‐イレブン向けの食品または食材を多く扱っている。

◆ 22年12月期決算
・22/12期決算は、売上高27,567百万円(前期比5.0%増)、営業利益1,488百万円(同13.6%減)となった。元々期初計画では減益を想定していたが、売上高が未達となったことや、原材料価格の上昇等の影響により、営業利益は期初計画の1,500百万円を若干下回った。

◆ 23年12月期業績予想
・23/12期業績について、同社は、売上高30,000百万円(前期比8.8%増)、営業利益1,800百万円(同20.9%増)を計画している。
・証券リサーチセンター(以下、当センター)では、23/12期の業績を、売上高30,308百万円(前期比9.9%増)、営業利益1,834百万円(同23.2%増)と、会社計画と若干上回る水準を予想した。会社想定通りに生産能力が拡大していくとともに、生産性向上等で原材料価格上昇の影響をカバーすることによって売上総利益率が改善するという前提で予想した。

◆ 今後の注目点
・当センターでは、生産能力の拡大により、売上高は24/12期は前期比11.1%増、25/12期は同13.8%増、売上高営業利益率は24/12期6.3%、25/12期6.7%と予想した。
・同社は生産能力の拡大を成長戦略の根幹に置いている。目下の課題は、建設計画の見直しが生じた滋賀工場の立ち上げである。計画の遅延に対しては、短期的には既存工場の生産能力引き上げで対応するが、中期的な成長戦略に影響を与えうるため、着工時期等、滋賀工場建設の動向に注目したい。また、費用面では、為替の変動を含めた原材料価格や労務費、電気代をはじめとする水道光熱費の動向にも注意を払っておきたい。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。