ダイワ通信(7116) 営業拠点の拡充とAIカメラ活用のシステム販売でセキュリティ事業の成長を目指す

2023/01/05

防犯・監視カメラの全国での販売・施工と北陸2県でソフトバンクショップを展開
営業拠点の拡充とAIカメラ活用のシステム販売でセキュリティ事業の成長を目指す

業種: 情報・卸売業
アナリスト: 鎌田 良彦

◆ 防犯・監視カメラの販売・施工の全国展開と北陸での携帯ショップ運営
ダイワ通信(以下、同社)グループは、同社と子会社2社からなり、防犯・監視カメラシステム等の販売、施工、保守及び、防犯・監視カメラ等の卸売販売を全国展開するセキュリティ事業と、ソフトバンク(9434 東証プライム)の一次代理店として石川県と富山県でソフトバンクショップを運営するモバイル事業を行っている。

同社の前身企業は96年3月に携帯電話の代理事業を行う会社として設立され、14年2月にセキュリティ事業を事業譲渡により取得している。16年3月に新設分割によりモバイル事業とセキュリティ事業を行う同社が設立された。

同社グループは、セキュリティ事業とモバイル事業の2セグメントであり、22/3期の売上構成比は、セキュリティ事業が56.3%、モバイル事業が43.4%、不動産賃貸収益等のその他が0.3%であった(図表1)。

◆ セキュリティ事業
同社のセキュリティ事業は、全国展開する大手企業経由の販売、施工と工務店等から成る認定パートナー向けの卸売販売の2つの販売ルートを持っている。売上構成比は、前者の販売ルートが約6割、後者が約4割となっている。

ひとつ目の大手企業経由は、リコー(7752 東証プライム)や綜合警備保障(2331 東証プライム)等、全国展開する企業と販売提携し、これらの企業を通じて防犯・監視カメラシステム等の販売、施工、保守を行うものである。防犯・監視カメラシステムの販売には、レコーダーやモニターディスプレイ等の周辺機器も含まれる。売上高はリコーや綜合警備保障等の販売提携先向けとなる。施工は子会社のアクト通信が担当している。

大手企業経由の販売では、札幌、仙台、新潟、東京、名古屋、大阪、北陸、広島、福岡に9営業拠点を展開し、防犯・監視カメラシステムを全国に販売している。最終顧客はスーパーマーケットやドラッグストア等の小売店や工場、学校、病院、建設現場、オフィスビル等多岐にわたる。防犯・監視カメラシステムは顧客の店舗等に設置するオンプレミス型が多い。AI顔認証端末による入退室管理システムや画像認識・分析機能を持つAIカメラを活用したシステムの販売も行っている。

ふたつ目の認定パートナールートは、防犯・監視カメラの設置等を行う工務店を中心とした認定パートナー企業に向けた機器の卸売販売である。認定パートナー企業は22年6月末で196社あり、年々増加している(図表2)。同社では認定パートナーを年間取引高に応じてランク分けし、ランクに応じた営業活動支援、専任営業担当者支援、マーケティングツール支援等を行っている。

防犯・監視カメラ等の機器の調達は、子会社のディーズセキュリティが行い、同社及び認定パートナー企業向けに販売している。ディーズセキュリティではオリジナルブランドD’SSのネットワークカメラ等の販売を行っているほか、
新製品の開発も担当している。

◆ モバイル事業
モバイル事業では、ソフトバンクの一次代理店として石川県で8店舗、富山県で2店舗のソフトバンクショップを運営している。同社のソフトバンクショップでは全店でワイモバイルブランドも取扱っている。

モバイル事業の収益は、スマートフォンやタブレット等の端末やアクセサリー類の個人向け、法人向け販売と、通信回線の加入契約、各サービスの契約取次、通信料金の収納代行等、ソフトバンクから手数料、支援費として受け取る収入からなる。ソフトバンク向けの売上高は、22/3期で全社売上高の約
16%を占めている(図表3)。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
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