オープンワーク(5139) 採用支援サービス「OpenWorkリクルーティング」の拡大が今後の成長を牽引

2022/12/21

国内最大級の社員クチコミサイト「OpenWork」を運営
採用支援サービス「OpenWorkリクルーティング」の拡大が今後の成長を牽引

業種: 情報・通信業
アナリスト: 藤野 敬太

◆ 国内最大級の社員クチコミサイト「OpenWork」を運営
オープンワーク(以下、同社)は、国内最大の社員クチコミサイト「OpenWork」を運営している。「働きがい」にフォーカスし、社員クチコミや評価スコア等のワーキングデータを提示するワーキングデータプラットフォームとして拡大し続けてきた。また、18年10月にリンクアンドモチベーション(2170東証プライム)の出資を受け、追加出資を受けた20年1月からはリンクアンドモチベーションの連結子会社となっている。

同社はワーキングデータプラットフォーム事業の単一セグメントだが、売上高は、サービス別に、社員クチコミサイトの運営を行うOpenWork、社員クチコミサイト上で求職者と求人企業をマッチングするOpenWorkリクルーティング、その他の3つに区分されている(図表1)。直近はOpenWorkリクルーティングの売上構成比の上昇が目立ち、全体の成長を牽引している。

◆ OpenWork
「OpenWork」は、社員クチコミデータを基盤とした転職・就職のための会社情報サイトである。利用者は、他の利用者が投稿した社員クチコミ、評価スコア、各種数値データから会社の評判を調べることができ、就職や転職に活用することができる。

07 年のサービス開始以降、コンテンツは着実に蓄積され、22 年11 月末時点で約1,400 万件のクチコミデータが掲載され、登録ユーザーは約520 万人となっている(図表2)。登録ユーザーのうち、社会人ユーザーの68%が20~30 代であり、学生ユーザーの92%が大学・大学院在籍者である。学生ユーザーに関しては、21 年3 月卒の大卒就活生の約半数が「OpenWork」を利用している。

「OpenWork」に掲載されているクチコミ情報を閲覧するためには、以下の4つの方法がある。
(1) 社員クチコミを登録する(500 文字以上)
(2) 月額1,000 円の有料会員として登録する
(3) 「OpenWork」経由で提携する他の人材サービスへの登録を行う
(4) Web 履歴書を登録する

同社の収益につながるのは、(2)の有料会員登録と、(3)の提携サービスへの登録である。(3)の場合は、提携企業からの紹介料が収益となる。

◆ OpenWorkリクルーティング
OpenWorkリクルーティングは、企業向けのダイレクトリクルーティングサービスである。サービス利用企業は、求人情報を「OpenWork」上に掲載し、「OpenWork」を利用する求職者に対してアクセスすることができる。サービス利用企業は、自社の採用を行う求人企業や人材紹介エージェント企業であり、22年10月末時点で、求人企業約1,700社、人材紹介エージェント企業約370社、合計約2,070社が契約をしている。

一方、求職者は「OpenWork」に掲載されているクチコミ情報等を確認しながら求職活動をすることができる。Web履歴書の累計登録者数は22年10月末時点で約70万人となり、22/12期第3四半期累計期間における入社人数は970人と、既に前期の710人を超えている。

OpenWorkリクルーティングの収益の大半は、求人企業または人材紹介エージェント企業からの成功報酬である。なお、成功報酬は入社1人につき80万円と固定額である。そのため、入社した人の初年度年収の約3割とされる業界で一般的な報酬体系に比べて低く抑えられることが多いため、同社のサービスは価格競争力があると言える。また、価格面以外でも、求人企業と求職者の双方のミスマッチの低減や入社後定着率の向上を図ることができるとして、満足度が高いサービスとなっている。

◆ その他
その他は、蓄積された社員クチコミを活用した各種サービスである。現在提供しているサービスとして、社員クチコミデータを投資家の投資判断のためのオルタナティブデータとして提供する「FIS(Financial Indicator Service)」が挙げられる。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。