ペイロール<4489> 標準化された業務プロセスとソフトウェアによるスケールメリットが強み

2022/11/25

大規模企業向け給与計算業務のアウトソーシングサービスを展開
標準化された業務プロセスとソフトウェアによるスケールメリットが強み

業種: 情報・通信業
アナリスト: 阪東広太郎

1.会社概要
・ペイロール(以下、同社)は、給与計算のBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)を主たる事業としている。
・同社の給与計算業務のアウトソーシングサービスは、給与・定期賞与計算業務に加えて、年末調整補助業務などの季節性業務、身上異動等の人事関連業務、従業員及び各拠点との直接対応など、給与計算の周辺業務もサポートする「フルスコープ型」を特徴としている。

2.財務面の分析
・顧客企業数及び給与計算処理実績人数の増加等を背景に、19/3期から22/3期に掛けての3期間において売上収益は年率7.4%で増加した。税引前利益率は、有利子負債の減少に伴う金融費用の減少等によって、19/3期の14.1%から、22/3期の16.6%まで2.5%ポイント改善した。
・類似企業との財務指標比較では、売上高営業利益率が上位にある。

3.非財務面の分析
・知的資本の源泉は、25年超にわたって大規模企業(従業員1,000人以上が目安)向けにフルスコープ型の給与計算業務アウトソーシングを提供する中で蓄積されたプロセス・ノウハウ、実績に基づくブランド、及びこれらの構築をリードする創業者にある。

4.経営戦略の分析
・同社は、大規模企業向け市場でのオーガニック成長、新たな顧客群の獲得、給与計算の統計分析データの提供の3つを成長戦略としている。

5.アナリストの評価
・証券リサーチセンターでは、大規模企業向けの給与計算業務のアウトソーシングに関する知的資本と経営戦略を高く評価している。一方、成長戦略に掲げる中規模企業向けサービスや給与計算の統計分析データの提供は、顧客にとっても新たなサービスであり、業績への貢献は未知数である。24/3期以降にリリース予定の新サービスの動向に注目したい。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。