ビーアンドピー<7804> 販売促進用広告制作向けの牽引で23年10月期も業績回復が続くかどうかに注目
業務用インクジェットプリンターによる出力サービスの大手
販売促進用広告制作向けの牽引で23年10月期も業績回復が続くかどうかに注目
業種: その他製品
アナリスト: 藤野敬太
1.会社概要
・ビーアンドピー(以下、同社)は、業務用の大判インクジェットプリンターを使ってインクジェット出力サービスを提供している。
2.財務面の分析
・18/10期まではインクジェットプリント関連市場拡大の波に乗る形で増収増益が続いたが、19/10期は顧客業界の需要減と費用増で、20/10期は新型コロナウイルス禍の影響で減収減益が続いた。21/10期からは業績は回復傾向にある。
・同業他社との財務指標の比較において、安全性指標には優位性があり、収益性指標も悪くない。一方、3期前との比較となる成長性指標が減収減益となっている。決算期変更の特殊事情はあるが、業績悪化時の振れ幅が大きい傾向にあるとも言えよう。
3.非財務面の分析
・同社の知的資本の源泉は、少量短納期のサービス提供を可能にする体制(組織資本)にある。販売促進用広告制作のうち、同業他社が扱いにくいと考える屋内用途の短納期案件に対応すべく体制を整え、差別化を図ることに成功した。その結果、実績と顧客を増やし、蓄積されたノウハウが体制強化に活かされるという好循環を描くことになった。
4.経営戦略の分析
・対処すべき課題として、営業と生産の体制強化の継続、人材の確保と育成、認知度の向上が挙げられる。
・インクジェットプリント事業を起点として、顧客企業の販売促進やマーケティングまでをトータルにワンストップでサポートできる企業になることを今後の成長戦略の根幹に置き、デジタルサイネージとデジタルプロモーションを新規事業として育成していくとしている。
5.アナリストの評価
・証券リサーチセンターでは、顧客業界と地域と商品・サービスを絞って展開し、その領域で一定のシェアを獲得したら次の領域に進むという、後発ならではの戦略で事業を拡大してきた点を評価している。既存事業ではその戦略での成長は続くと見る。一方、新規事業については、ビジネスモデルの違いや競合先の多さから、収益拡大は未知数と考える。まずはM&Aを含め、新規事業にどの程度投資をするかに注目したい。