ジャパニアス<9558> Salesforceやクラウド、AI等の新規領域での技術者派遣拡大で成長を目指す

2022/09/16

IT企業やメーカーに技術者を派遣するオンサイト型開発支援と受託開発を展開
Salesforceやクラウド、AI等の新規領域での技術者派遣拡大で成長を目指す

業種: サービス業
アナリスト: 鎌田 良彦

◆ 技術者派遣によるオンサイト型開発支援と受託開発を展開
ジャパニアス(以下、同社)は、IT・通信業界やエレクトロニクス、自動車等の製造業を中心とした顧客に、技術者の派遣によるオンサイト型開発支援及び、自社の拠点での受託開発を行う先端エンジニアリング事業を展開している。

同社の事業セグメントは、先端エンジニアリング事業の単一セグメントであるが、サービス内容としては、オンサイト型開発支援と受託開発がある。21/11期の売上高7,243百万円のうち、オンサイト型開発支援が7,053百万円(売上高構成比97.4%)、受託開発が190百万円(同2.6%)とオンサイト型開発支援が太宗を占めている。

21/11期のサービス分野別売上高を見ると、ソフトウェアが4,166百万円(売上高構成比57.5%)、ネットワークの設計・構築やサーバーの設計・構築といったIT関連のインフラが1,435百万円(同19.8%)、自動車/車載機器やOA機器、デジタル機器の設計等の機械・電気が1,312百万円(同18.1%)、Salesforceの導入支援やクラウド、AIの新規領域が327百万円(同4.5%)となっており、売上の約8割がIT業界向け、約2割が製造業向けとなっている(図表1)。新規領域には20年に参入し、今後の拡大を目指している。

同社のエンジニアは殆どが正社員で、21/11期末のエンジニア数は、一部の有期雇用契約社員等の臨時従業員を含め1,146人である。21/11期のエンジニアの稼働率は95.4%、21/11期の売上高を同社のエンジニアと派遣契約等で受け入れているビジネスパートナー企業のエンジニア数の合計で除した一人当たり売上高は563千円/月であった(図表2)。

契約形態別にみると、①同社の派遣エンジニアが派遣先企業の指揮命令を受けて業務を行う派遣契約、②同社が顧客企業から業務を受託し、業務遂行の指示や労務管理等を同社が行い、成果物を納品する請負契約、③同社が顧客企業から業務を受託し、業務遂行の指示や労務管理等を同社が行い、受託した業務を行う準委任契約に分かれ、売上高の三分の二は派遣契約、三分の一は請負契約及び準委任契約となっている。

◆ 顧客基盤
上場企業(グループ企業も含む)向け売上高が、21/11期には全体の75%を占めた。主要顧客としては、売上高の14.4%を占めるソフトウェアの受託開発を行うアルファシステムズ(4719東証プライム)が挙げられる(図表3)。この他、富士フイルムホールディングス(4901東証プライム)グループ、富士通(6702東証プライム)グループ、トヨタ自動車(7203東証プライム)グループ、東芝(6502 東証プライム)グループ等があり、21/11 期には売上高上位10 グループ向けの売上高が51%を占めた。

取引の継続性を見ると、21/11 期の売上高のうち、10 年以上の継続顧客向けが24%、5 年以上10 年未満が34%となっており、全体の58%が5 年以上の継続取引で占める等、取引の継続性が高い。

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資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。