サンウェルズ<9229> PDハウスの新規出店とICTを活用した新サービスの開発で成長を目指す
パーキンソン病専門有料老人ホームのPDハウスを全国に展開
PDハウスの新規出店とICTを活用した新サービスの開発で成長を目指す
業種: サービス業
アナリスト: 鎌田 良彦
◆ パーキンソン病専門有料老人ホームを中心に介護事業を展開
サンウェルズ(以下、同社)は、パーキンソン病患者専門の有料老人ホームを中心に、医療特化型住宅、グループホーム、デイサービス等の施設介護事業を主要業務としている。その他、福祉用具のレンタル・販売、住宅のリフォーム事業、加圧トレーニングジムの運営等も行っている。
同社の事業は介護事業の単一セグメントであるが、サービス内容毎の売上内訳を開示している(図表1)。19/3期以降はパーキンソン病専門有料老人ホームのPDハウスの出店に注力しており、22/3期第3四半期累計期間では、PDハウスの売上高が3,356百万円、売上構成比56.7%と売上高の過半を占めた。
施設介護事業の売上高は、1~3割がサービスの利用者が支払う施設の家賃や食事代、介護保険や医療保険の自己負担分等であり、残りの7~9割は、介護保険、医療保険及び障害福祉サービスによる保険収入である。
① PDハウス
PDハウスはパーキンソン病専門の有料老人ホーム(住宅型有料老人ホーム及びサービス付高齢者向け住宅)であり、22/3期末で全国に12施設、613床を展開している(図表2)。
パーキンソン病は、脳内のドーパミン神経細胞の変性を主体とする進行性疾患で、手足の震え、筋肉のこわばり、転倒しやすくなる等の症状があり、国の指定難病に指定されている。現在、根治する治療法は確立されてはいないが、リハビリテーションと適切な薬剤コントロールにより、病気の進行を遅らせることができる。
厚生労働省の「衛生行政報告例」によれば、パーキンソン病の重症度を測るホーン・ヤール重症度でⅢ~Ⅴの重度のパーキンソン病患者で、医療費助成制度の対象となる特定医療費受給者証を持つ患者数は、20年度末で約14.2万人に達する。
PDハウスでは、パーキンソン病に特化したリハビリテーションプログラムや、専門医の訪問診療、看護師による服薬管理等を提供している。PDハウスは重度のパーキンソン病患者を対象としており、利用者負担分と介護保険からの収入に加え、医療保険と障害保険による収入が計上されるため、利用者負担分と介護保険からの収入が計上される、一般の有料老人ホームに比べ、入居者一人当たりの単価が高くなっている。
② 医療特化型住宅
医療特化型有料老人ホーム「太陽のプリズム」は、認知症、がん、難病患者を対象に、施設に入居しながら医師や看護師の医療ケア、生活支援を受けられる施設である。22 年4 月末で北陸エリアにおいて7 カ所運営している。
③ グループホーム
認知症認定者に対し、少人数で共同生活しながら専門的なケアを提供するグループホーム(認知症対応型共同生活介護)を運営している。22 年4 月末で北陸エリアに2 カ所運営している。
④ デイサービス
利用者が日帰りで通いながら入浴や食事の生活支援、リハビリ、機能訓練レクリエーション等のサービスを受けられる通所介護サービスを提供している。民家型デイサービス「太陽のひだまり」は、22 年4 月末で北陸エリアに3 カ所運営しており、事業所毎に、エステサービスやお泊りデイサービス、認知症患者向け、と異なったサービスを提供している。リハビリ型デイサービス「太陽のリゾート」は22 年4 月末で北陸エリアに3 カ所運営しており、作業療法士、理学療法士、言語聴覚士がリハビリプログラムを提供している。
⑤ 福祉用具事業
福祉用具事業では、車椅子、歩行器、ベッド等の福祉用具のレンタル・販売と、バリアフリー工事の提案・施工を行う住宅のリフォーム事業を行っている。
⑥ 加圧トレーニング事業
腕と脚のつけ根を専用のベルトで締め、血流を制限した状態で行う加圧トレーニングのジムを運営している。