ヤマイチ・ユニハイムエステート<2984> 不動産を取得し賃貸、又は用途に応じて再開発し販売することで付加価値を創出

2022/06/24

不動産開発・賃貸事業、不動産開発・販売事業及びマンション事業が主体
不動産を取得し賃貸、又は用途に応じて再開発し販売することで付加価値を創出

業種: 不動産業
アナリスト: 副島久敬

◆ 不動産を取得し賃貸、再開発し販売することで付加価値を創出
ヤマイチ・ユニハイムエステート(以下、同社)は、不動産事業を通じた「街づくり」と「地域活性化」を使命と考え、「人々が安心して住める街づくり」、「人々が快適に暮らせる街づくり」、「人々が満足する街づくり」を通して、地域の発展とそこに住む人々の幸せを追求することを企業理念としている。

同社は関西圏を中心に不動産開発・賃貸事業、不動産開発・販売事業及びマンション事業を展開し、22/3期の地域別売上高は大阪府が8,269百万円(構成比43.1%)、和歌山県が3,760百万円(同19.6%)、兵庫県が3,234百万円(同16.9%)、その他(奈良県、滋賀県、京都府等)が3,913百万円(同20.4%)となっている(図表1)。

22/3期の事業別売上高は不動産開発・賃貸事業が2,412百万円(構成比12.6%)、不動産開発・販売事業が5,982百万円(同31.2%)、マンション事業が10,513百万円(同54.8%)、その他が269百万円(同1.4%)、となっている(図表2)。また、不動産開発・販売事業は利益率が高く、同社の営業利益の大部分を占めている。

◆ 不動産開発・賃貸事業
同社の不動産開発・賃貸事業は、各不動産が生み出す長期的なキャッシュ・フローを投資判断の指標とし、特定の用途に偏らず、共同住宅、商業施設、オフィスビル及び駐車場への分散投資を行っている。近畿エリアを中心に展開しており、近年は東海エリア及び関東エリアにも進出している。

22/3期の不動産開発・賃貸事業の売上高は2,412百万円(構成比12.6%)、セグメント利益は804百万円(同28.1%)、セグメント利益率は33.3%となっている。地域別売上高は、和歌山県が1,095百万円で同セグメントの売上高の45.4%を占め、大阪府が452百万円、同18.7%、兵庫県が146百万円、同6.1%、その他が717百万円、同29.7%となっている。

◆ 不動産開発・販売事業
同社の不動産開発・販売事業は、主に住宅用地の開発・販売や企業向けの産業用地の開発・販売を行っている。また、住宅用地の分譲販売とともに戸建住宅の一般建設請負も行っている。住宅用地の分譲販売は、主に和歌山県と兵庫県を中心に展開している。

産業用地の販売は、倉庫、物流拠点や工場等の用途に適した条件を満たす用地の取得・開発を行い、自社又は仲介事業者を通じて販売している。

22/3期の不動産開発・販売事業の売上高は5,982百万円(構成比31.2%)、セグメント利益は1,888百万円(同65.9%)、セグメント利益率は31.6%となっており、同社の営業利益の過半を占めている。地域別売上高は、和歌山県が2,395百万円売上高で40.0%を占め、兵庫県が1,348百万円、同22.5%、その他が2,235百万円、同37.4%となっている。

◆ マンション事業
同社のマンション事業は、主にファミリー層向け分譲マンションの企画開発及び販売を行っており、マンションの一次取得者を主要顧客層としている。

自社ブランドとして、ミドルからアッパークラスをターゲットとした「ユニハイム」及びハイエンドブランドである「ユニハイムエクシア」を中心に展開しており、「Only-I」という内装のオーダー対応オプションにより他社と差別化している。

大阪府を中心に展開しており、16年3月にユニチカ(3103東証プライム)の子会社であったユニチカエステートの株式を譲受し子会社化し、商号をユニハイムエステートに変更した。ユニハイムエステートは21年3月に同社が吸収合併し、この合併を機に同社はヤマイチエステートからヤマイチ・ユニハイムエステートに商号を変更した。ユニハイムエステートは、同社の子会社となる前から、50年以上にわたりマンション開発をしており、推計16,000戸以上(旧社名での販売実績及び共同事業の事業比率に応じた販売実績を含む)のマンション販売実績がある。

22/3期のマンション事業の売上高は10,513百万円(構成比54.8%)、セグメント利益は684百万円(同23.9%)、セグメント利益率は6.5%となっており、セグメントの中では最も利益率が低い。地域別売上高は、大阪府が7,812百万円で同セグメントの売上高の74.3%を占め、兵庫県が1,739百万円、同16.5%、その他が960百万円、同9.1%となっている。

◆ その他事業
その他事業は、シニア向けマンション賃貸・分譲・管理運営、訪問介護や居住者介護支援サービス、和食飲食店の運営及び温泉施設運営等となっている。

また、同社の不動産関連ビジネスに付随して損害保険代理店業、同社保有の太陽光発電施設による売電事業が含まれている。

22/3期のその他事業の売上高は269百万円(構成比1.4%)、セグメント利益は83百万円(同2.9%)、セグメント利益率は30.9%となっている。その他事業の売上高はほとんどが和歌山県でのものとなっている。

一般社団法人 証券リサーチセンター
ホリスティック企業レポート   一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。

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