STIフードホールディングス<2932> 当面の注目点は原材料価格の動向と近畿圏工場立ち上げの進捗

2022/05/27

セブン‐イレブン向けが中心の研究開発型の水産食品メーカー
当面の注目点は原材料価格の動向と近畿圏工場立ち上げの進捗

業種: 食料品
アナリスト: 藤野敬太

◆ 会社概要
・STIフードホールディングス(以下、同社)は、水産原料素材の調達から 製造・販売までを自社で一貫して行う水産食品メーカーである。セブン‐ イレブン向けの食品または食材を多く扱っている。

◆ 21 年 12 月期決算
・21/12 期決算は、売上高 26,264 百万円(前期比 13.9%増)、営業利益 1,723 百万円(同 30.2%増)となった。第 2 四半期までは売上総利益率は 高い水準で推移し、会社計画は上方修正されたが、第 3 四半期以降は 原材料価格の上昇等により売上総利益率が低下し、利益は伸び悩んだ。

◆ 22 年 12 月期業績予想
・22/12 期業績について、同社は、売上高 28,000 百万円(前期比 6.6% 増)、営業利益 1,500 百万円(同 13.0%減)を計画している。22/12 期より 新収益認識基準の適用となり、前期比は旧基準の前期との比較である。
・証券リサーチセンター(以下、当センター)では、22/12 期の業績を、売上 高 28,058 百万円(前期比 6.8%増)、営業利益 1,519 百万円(同 11.8% 減)と、会社計画とほぼ同じ水準を予想した。会社想定通りに生産能力 が拡大していくとともに、生産性向上等で原材料価格上昇の影響をカバ ーすることによって前期並みの売上総利益率が保たれるという前提で予 想した。

◆ 今後の注目点
・当センターでは、生産能力の拡大により、23/12 期は前期比 22.1%増収、 24/12 期は同 14.8%増収となり、売上高営業利益率は 23/12 期 5.3%、 24/12 期 5.9%と予想した。
・同社は生産能力の拡大を成長戦略の根幹に置いており、目下の課題は、 近畿圏工場の立ち上げである。22 年 5 月に建設用地を取得したところ であり、竣工時期と竣工後の稼働率の動向に注目したい。また、費用面 では為替の変動を含めた原材料価格の動向に注意を払っておきたい。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。