TORICO<7138> コミック販売のシェア拡大とマンガ関連グッズ販売の海外展開で成長目指す

2022/03/28

コミック全巻セットのEC販売を中心にマンガ関連事業を展開
コミック販売のシェア拡大とマンガ関連グッズ販売の海外展開で成長目指す

業種: 小売業
アナリスト: 鎌田 良彦

◆ コミック全巻セットのEC販売を中心にマンガ関連事業を展開
TORICO(以下、同社)グループは、同社と子会社3社からなり、マンガに関連する事業を展開している。同社グループのセグメントは、「マンガ事業」の単一セグメントであるが、コミック全巻セット販売に特化したネット書店「漫画全巻ドットコム」を中心とした「ECサービス」、国内外への「デジタルコミック配信サービス」、自社店舗及びECでのマンガ関連グッズの販売等の「イベントサービス」の3つに分けて売上高を開示している(図表1)。

21/3期の売上高は、ECサービスが4,507百万円(売上構成比90.3%)、デジタルコミック配信サービスが270百万円(同5.4%)、イベントサービスが213百万円(同4.3%)となっており、ECサービスが売上高の約90%を占め、主力サービスとなっている。

◆ ECサービス
ECサービスでは、「漫画全巻ドットコム」の他に、女性向けのネット書店「ホーリンラブブックス」、男性向けのネット書店「まんが王」を運営している。漫画全巻ドットコムでは電子コミックの販売も行っているが、売上の太宗は、紙版コミックの全巻セット販売である。21年12月末の漫画全巻ドットコムで購入実績のある会員数は、441,284名となっている。

漫画全巻ドットコムは、自社直営のECサイトに加え、楽天グループ(4755東証一部)、アマゾンジャパン(東京都目黒区)、Zホールディングス(4689東証一部)傘下のヤフーが運営するECモールの店舗経由での販売も行っている(図表2)。

子会社の漫画全巻ドットコムは、電子コミックをスマートフォン等で読むためのビューアアプリの登録・管理会社である。

◆ デジタルコミック配信サービス
デジタルコミック配信サービスでは、国内デジタルコミック配信サービス「スキマ」、海外デジタルコミック配信サービス「MANGA CLUB」の運営と自社オリジナルマンガ作品の編集・出版を行っている。

デジタルコミック配信サービスは、ウェブ/アプリ、スマートフォン/タブレット/PCを問わずに閲覧でき、作品が何話にも分割されて1話ごとに隙間時間に読めるようになっている。一部は無料で読めることもあり、ライトなマンガユーザー向けのサービスとなっている。収入は、閲覧時に掲載される広告料と顧客の購入代金である。

21年末の会員数はスキマが2,964,122人、MANGA CLUBが696,403人と多く、同社のECサービスやイベントサービスへの送客を行う入口サービスとなっている。子会社のスキマは、スキマアプリの運営・登録会社である。

◆ イベントサービス
イベントサービスでは、自社店舗の「池袋虜」、「渋谷虜」、「大阪谷六虜」で開催されるイベント「マンガ展」を通じて、漫画家のサイン会、原画の展示、マンガの世界観を再現するフード/ドリンク、限定オリジナルグッズ、関連書籍の販売を行っている。福岡県行橋市の「リブリオShop」で図書館の交流スペース内での小規模コミック書店を運営している。

また、ECサイトの「マンガ展ストア」を通じて、一部のグッズの購入ができる。子会社のROLLは、マンガ展の予約アプリの運営・登録を行っている。

>>続きはこちら(1.12 MB)

一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。